恩寵そのものである愛するひととの交流のなかに生きていて、克服すべきものが無い状態である。 以前は問題であった物質的なものへの膠着が消えてしまっていて、浮かんでも消える泡でしかなくなっている。

 

 自分で敢えて膠着しないかぎりは。だからぼくは、形にする真実を、どういう次元のものでも自分の習い性となった義務意識で書くことをせず、選択することに決心したのだ。自分を高めていられる真実のみを形にする、つまり書く、という選択を自分に意識的に課す、ということを決めたのだ。

 

 ぼくの思想は、辞書ではなく、詩集であればよい。

 

 

 

 

恩寵とは厳密にはひとつの状態ではなく存在の啓示ではないか。つまり過ぎ去るものではなく永遠の開示なのだ。 そのようなものとして感じ信じる。これこそ真の忠実の礎である。

 

 

 

 

存在論的に、愛しか存在しない。あとは妄念である。