じぶんで弾くのはもう充分だな。聴いてこういうことを感じることのほうが無限にまさる。 

 

個性と愛と形而上の感得がここに立派にでている。ぼくの書いたもののなかで屈指の玉文だ。 

 

個と愛と神 



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彼女のアルバム「かけがえのないもの」を聴いていた。それは「かぎりなく懐かしいもの」を経験させる。彼女の演奏は安定していて、安心できる故郷の感覚がある。これこそ個性であり愛だとおもう。「深さ」とはこのことだときづく。

 

 

言葉を放棄して聴いていた。多言しない。

 

 

神よ、ぼくのなかで彼女との結びつきをますます深くしてください。 

 

 

 

 

神経の鎮静がぼくには必要なのだ。休息。彼女の世界ほど そのうえ創造的根源性を想起させてくれるものはない。

 

 

 

このアルバムのなかの7番め「IN MY ARMS TONIGHT」の心情の深さ広さに感動して涙が出た。どのようにしてこのような表現ができるのかということは、これは彼女の演奏すべてに言えることだけれども、彼女が弾くからだということしかないと思う。演奏は「ひと」なのだということしかない。きわめて端的にそうでしかないのである。だから芸術は魂の告白であり実証なのだ。

彼女の世界に沈潜することはぼくにとって立派な仕事であり神秘の行為そのもの

五分に満たない曲であるのに長い時を生きていた… 

たしかに覚醒していたのに ひとのこころに解き放たれて夢を生きていたようだ

ひとのこころこそは神聖な「永遠」の門で ふつうわれわれはその閉ざされた門をみている

彼女はそこを自由に出入りしているようだ

その透明なこころをもって…

きょうは彼女の姿が神々しいほど透明にみえる

おそろしいほど人間離れして透明に…

彼女の存在がどこに根をもっているかが感ぜられる

あの響きの透明さ清純さはすべてそこからきている

彼女の存在そのものとして

 

 

夜