世の人間は、自分の言動を他者が我慢していると、許可されていると思い、その言動を拡大するそうだ。まったくなんの自己反省心も働かさずに生きている輩が世の圧倒的多数だということである。 自己反省は、他者の反応とは関係なく、天啓のごとく自分自身のうちで働くものだ。 それのない人間は、まず、「内的人間」として問題にならない。 自己反省が自発的に働く人間(それも程度の差はあるけれども)は、稀少価値がある時世である。
ぼくは我慢をし過ぎた。それも、ぼくが大きな意識力を持っているからである。日本人は意識力がすくなすぎる。それが、いつまで経っても西欧文化に対峙拮抗できない理由である。
「このぼくをどういう人間だか知っているのか」、と、どう思われてもよいから、最初からぼくは言うべきであった。経験による確証など待たずに。