高田博厚「偉大な芸術家たち」90頁
「私は仕事をしたから、一瞬のうちに数ヶ月を消してしまったのだ。人間は、なにかを握っているということはできないものだ。決してできない。毎日、学ぶことを始めなければならぬから……。」
なんともすさまじい言葉である。この言葉自体も、そういうロダンに「驚嘆」したブールデルも、こういう言葉に訳した高田博厚も。
造形家も、音楽家も、そのことを知っているだろう。実践してみればわかる。毎日、ドレミの位置を覚えることから始めなければならない。ロダンにしてそうだったのか。われわれに何の不服があるというのか!