集合的容喙現象の実相というものは、ひじょうに複雑なのである。すでにぼくは、そのことを言っているので、くりかえさないが、われわれがもともとそれとの関係のなかで生きているものが、問題なのである。それが、《被害者》にとっては、問題を起こしている。「自然」は、もともと巨大な関連体系であり、それ自体は善でも悪でもないが、関連性のあり方によって、或る人々にとっては由々しきものとなる。ましてこの自然は、「生きて」いる「霊魂」の複雑関連体系なのである。われわれのできることは、これをもともとの正常な秩序に戻すこと、それを阻んでいる人間的所作を撤去することである。そしてこのためには、国レベルで為さねばならないことを為す必要がある。その際、適切な対処のために、何が知り得、何が知り得ないかを、わきまえておく必要がある。そのために、一見実践的でない「形而上的」とみえる反省も、しておかなければならない。