もう一つの眼―高田博厚芸術エッセイ集 (1976年)
 
もう一つの眼―高田博厚芸術エッセイ集 (1976年)
高田 博厚著
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5つ星のうち 5.0 「もう一つの眼」は貴重な文献, 2014/3/22
この書は、高田博厚著作集(全四巻、朝日新聞社刊)に収録されていない多くの高田氏の文章を含み、しかもそれらは氏の思想を理解する上で重要なものだと思います。例を挙げるなら、同書所収「自然への照応」では、《自然が意味を持っているのではなく、「見る」自分が「意味」を持っている》と明確に語られ、芸術が「自然から学ぶ」ということは、素朴な自然崇拝の次元を遙かに超えて、人間が自分の魂に接近してゆく、根源的な「イデア」探求の道程にあることなのだという氏の根本思想が、はっきりとたしかめられます。氏はここで日本の古来の精神にもそのような姿勢があったことを、「万葉集」に言及しつつ指摘しており、氏が単なる欧化主義者ではなく常に普遍的な境位を志向していたことは、この書においてもあきらかです。 
〔古川正樹〕 
 
 
他投稿者記録:
  Amazon カスタマー 投稿日 2016/2/25
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商品の発送が早く、梱包も丁寧で、本も発行時期を考えると、特に不満な点はありませんでした。何より、貴重な本を入手し、読むことができて感謝しております。これからも、魅力的な商品を出品してくださるようお願いします。
 
〔現在でも、高田先生の熱心な関心者がぼく(古川)のほかにもいらっしゃるのですね。うれしく思います。〕