前節622〔補〕まで読んでくださいましたね。重要です。

それから前々節621でヴァレリー「海辺の墓地」を訳しつづけています。



 
 
      
     
   海海海海海海海海  
 
    
   
   
la mer la mer la mer la mer la mer
la mer la mer la mer la mer la mer



いま、朝の十時をとっくに過ぎた。ぼくはこれから寝るのだ。いったん寝たがまた起きてきてこれを書いている。一言書こうと思った。
天地万物に感謝などするな。これらは君達が思っているようなものではない。自分で自由に愛するのはよい。もののわかった哲学者はみな感謝など主題にはしなかった。哲学者のことはよい。ぼくは、もうばかばかしくてはらだたしくて、これはいいかげんに生きてきた者達にはわからないだろう。
君達はね、幸運な境涯にあぐらをかいてほざいているだけなんだよ。この世に調和なんてないのだ、人間の欲するような調和はね。ぼくがいちばん騙されていた。信じて騙された。まだ騙したいか。自分を騙すに留めておけ。精神が苦労して自らのなかに創る秩序しかこの世に秩序や調和はないのだ。この世自体はでたらめなカオスに過ぎない。軽蔑する対象でしかない。これがデカルトの精神と物質の二元論であり、苦労した人間・世界通にしか真意が解らないものだ。もう頭が働かないから書けない。僕はこれから寝るのだ。