さて、今日がリルケの誕生日だという認識は、本日わたしの欄に掲載された「プラハ旅行」の広告がきっかけでした。この街だけ特定したものもめずらしいなと思い、プラハといえばリルケ、と連想が働いて、たしかめたところ、今日が彼の日だということを知ったのです。めったにぼくは数字をおぼえているほうではないのです、よほどの興味を惹く符合がないかぎり。ともあれ、きょうはその日ですから、それにちなんで、季節にもぴったりの彼のとても有名な、リルケといえばまずこの詩、と言われるのではないかと思われる「秋」の詩をここに記しましょう。1902年9月11日パリ作です。もうわすれませんね。(初めて)パリに着いて二週間たたぬ時、と註記にあります(パリは秋が早いのですね)。ドイツ語の原詩をぼくの感覚で訳します。

Herbst

Die Blätter fallen, fallen wie von weit,
als welkten in den Himmeln ferne Gärten;
sie fallen mit verneinender Gebärde.

Und in den Nächten fällt die schwere Erde
aus allen Sternen in die Einsamkeit.

Wir alle fallen. Diese Hand da fällt.
Und sieh dir andre an: es ist in allen.

Und doch ist Einer, welcher dieses Fallen
unendlich sanft in seinen Händen hält.

木の葉落つ 遠きところからのように
天の中の遙かな庭園が枯れるかのごとく
拒む身振りをしながら落ちる

そして夜毎に落ちるのだ 重い地球が
あらゆる星辰から離れて 孤独のなかへ

われわれは皆おちる この手も落ちる
ほかをよく見なさい すべてにそれはあるのだ

だけどひとりのかたが在って このかたがこの落下を
かぎりなくやわらかにその御手にうけとめてくださる












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