音


君と会えるのは 調べの音を通してだけ
いや その音で僕は君を知覚する
君が叩く鍵盤に 君の指を 指の圧力を知覚する
押し叩く圧力の外皮に包まれた君の魂を

魂の外皮である身体(からだ)

僕がその音を聴く 君に叩かれる鍵盤に 君の魂の圧力を僕は知覚する
鍵盤という戸を叩く君の心の姿に せつないまでの一途さを感じる
人の心を叩くように
君は生きているんだね
僕は愛する 知覚され感覚された君の生きた魂を その純粋な ひたむきを 〈君だけの君〉を 僕は愛する

君の指の叩く力と心に 僕は君の魂を〈触れ知る〉 
君の奏でる〈音〉で僕は同時に触れる 君の身体と魂に
本当に君に触れる

 君に会える