「薔薇窓」の表象に、魂の生の四方である「孤独」「友情」「愛情」「社会」を重ね合わせて象徴させ、航海の羅針盤のようにぼくはイメージした。十字架の四隅のように。〈前二者と後二者は魂を天と地に引き裂くであろう。〉魂は生のなかで自己実証をもとめる。つまりそれはイデアという根本思想(理念)が生を突き動かし生の海のなかから己れの「形」(結晶)を得ようとする過程であろう。魂の精神運動とはこれである。意志が記憶(経験的かつ未生前的記憶)に向って行為するのである。これが「薔薇窓」が示す「魂の実証」の姿である。