電子欄を始めて20日経っていないが数年経ったような気がする。かたや昨年や一昨年がきのうやおとといのようだ。人間にとって時間とは複合的に相対的なものだと感じる。自分で状況を変化させた経験は厚みを持っている。すなわち時の奥行を感じる。受動的に経験したものは一年二年後でも殆ど時の距離を感じない。経験の性質によってそのように時間感覚に凹凸が生じる。時の経過を円環的に感じるのは観照的な経験で、経過そのものを厚みをもって感じるのは能動的な経験だといえると思う。いずれにしても直線運動的な時間経過観念はふたつのばあいともそぐわない。時間とはなんだろうか。それはぼくたちの意識のなかのいろんな経験が織りなす人生というレリーフ像のその凹凸効果を成す要素だと思う。