住宅ローンは借りられる金額でなく、返済できる金額で | NPO法人鎌倉ファイナンシャル・プランナーズ

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 過去の実務の経験上、住宅問題については常に関心を持ってきました。

近年は、低金利や税制優遇措置もあって、住宅ローンの借入可能額が増加し、住宅価格の上昇にもある程度対応可能にはなってきましたが、

老後資金の事を良く見据えて、借入額は返済可能な金額にコントロールすることが望まれます。

 

このところ、新築の戸建やマンションの価格は毎年上昇しています。特にマンションの価格は、タワーマンションの増加もあり戸建て物件の価格をかなり上回る傾向にある。首都圏平均の住宅価格を見ると、新築戸建ては3762万円(東京カンテイ:本年3月)で、新築マンションは約6千万円(不動産研究所:昨年平均)と高い。(参考・・・東京23区:7,500万円、神奈川県:5,500万円)。

一方、昨年の首都圏居住者の年収は、525万円(東京カンテイの資料)なので、マンション価格は11,4倍になり、戸建は,2倍になる。

この倍率は以前は5~6倍が上限といわれていたものである。そのため中古物件へのニーズが高まっていますが、これも予想外に高い。

これらの価格は、首都圏の平均価格であり、個別では相当な開きがあるようである。

 

「住宅金融支援機構」のデータを基に分析された日経記事(昨年10月分)によりますと、2020年度の「フラット35」のローン利用者の完済時年齢は、平均73歳で、20年間で5歳延びているようである。この要因として、➀晩婚化で借入時の年齢が37~38歳から40歳と高くなってきた、②住宅価格の上昇で、平均借入額が1,900万円から3,100万円に増加した、そのため返済期間が長期化したことにある と指摘されている。

 

完済時年齢が上がると、退職金依存度が高まり、その後の年金生活が不安定になるリスクが高まります。さらに、住宅改修費、介護の費用不安も重なり、コロナ禍等での増税の可能性も高まる懸念もあります。

いずれにしても、住宅ローンは遅くとも65歳までには完済することを前提とし、計画することがきわめて重要であります。安易に背伸びをして借りすぎないようにすることが肝要と考えます。

 

                                                                     S.S