新年おめでとうございます。
今年のお正月は首都圏では連日の好天でそれほど寒くもなく穏やかないいお正月でした。
一方、内外の政治経済情勢はいかがでしょうか?年末年始の株価の乱高下ばかりでなく、昨年来の出来事を踏まえると決して穏やかでは済まないことでしょう。
とはいえ、元号が変わる新年です。少しでも、明るい世界が広がるように、「鎌倉七福神めぐり」と題した鎌倉歩け歩け協会のウォーキングに初めて参加しました。
朝10時集合ですが、9時半ごろから鎌倉駅西口時計台広場に集まり始めます。会員でなくとも、200円で誰でも参加できます。10時からウオーミングアップの体操をして出発。今回の参加者は126名、多くは70代から80代とのこと。皆さんいつも参加していると見えて、足元もしっかりウォーキングシューズです。
先ず目指すのは、「弁財天」を祀る鶴岡八幡宮の源氏池に浮かぶ旗上弁財天社。七福神唯一の女神で水と音楽を司り、諸芸上達、財運招福の神様とか。八幡様は、さすが鎌倉を代表する観光名所ですから、三が日を過ぎた平日でも観光客で賑わっていました。
八幡様を左に出てすぐの宝戒寺は「萩寺」の名で親しまれ、北条の得宗屋敷があったところ。武家の拠点にふさわしく、七福神では「毘沙門天」が祀られます。ここから本覚寺までの小町大路は、道幅が狭く、120名からの大部隊の移動は大変です。それでも横断歩道の信号で適当に区切り、一列厳守で歩くのはさすが日本人です。途中、「日蓮上人辻説法跡」近くに、「寿老人」を祀る妙隆寺。寿老人には、無病息災、健康長寿、家庭円満を祈ります。
本覚寺には、えびす様。「恵比寿天」は、七福神の中で唯一の日本由来の神様。右手に釣竿、左手に鯛を持ち、いつもえびす顔で、漁業の神様から、大漁追福、商売繁盛の神様として知られています。耳が悪いので、お参りの前に銅鑼を大きく鳴らして聞いて貰う必要があるそうです。
ここからは、鎌倉の中心線、若宮大路に出て由比ヶ浜に向かい、海を左手に見ながら御霊神社に向かいます。風もなく穏やかな日で、真冬と思えない海がきらきら光っていました。御霊神社にあるのは、「福禄寿」。道教の教義の三徳から、福=子孫繁栄、禄=財運招福、寿=健康長寿、がその名の由来とか。
すぐ隣にあるのが長谷寺で、ここには「大黒天」が祀られています。長谷寺は山の斜面の広い境内に四季折々の草花がみられ、特にアジサイの季節には多くの観光客で混雑するのはご存知の通りです。
七福神は、平安時代に最澄が大黒様を台所の神として祀り始めたのが起源で、やがて日本古来の恵比寿天と一対で祀られ、その後、海外由来の神々が追加されて、江戸時代に今のような七福神となったようです。
さて、今回の『歩け歩け』は、長谷寺から最後の「布袋様」のおわす北鎌倉・浄智寺まではなかなかの難路でした。大仏様の裏手を通り、長谷大谷戸の信号を抜けると、佐助稲荷の裏手の高台に上るハイキングコースとなり、そのまま葛原岡を越えて浄智寺の裏手に至りますが、林の中をかなり急なアップダウンがあり、鎌倉は周囲を山に囲まれた堅城だったことが実感できます。
浄智寺は、鎌倉五山第四位の名刹ですが、今では谷戸に囲まれてひっそりとした佇まいで、いつもにこにこポジティブシンキングのホームレス乞食坊主(?)ともいわれる布袋様の居場所にはちょっと似合わないのではと思わせるところです。
そういえば、ガイドブックなどでは、「実にユーモラスな」と紹介されている浄智寺の布袋様ですが、左右の眼が不揃いで、いつもは布袋を担いでいるはずの右手の人差し指と冷たい左眼で、神頼みの前に自助努力を求められているようでもありました。
今回は、鎌倉駅西口からスタートし、八幡宮、宝戒寺、妙隆寺、本覚寺、御霊神社、長谷寺とぐるっと一回りしてから、北鎌倉の浄智寺へ行ったので、歩行距離は約10㎞でしたが、浄智寺から始めて八幡宮から御霊神社を最後にするコースなら平坦な行程で5~6㎞になるはずです。
七福神めぐりは、日本全国津々浦々にその土地の組合せがありますが、身近なところで是非一度、鎌倉七福神めぐりは如何でしょうか!
世界情勢とまではいかなくとも、身の回りには多少なりと明るいことが見えて来そうです。
(KT)