筆跡鑑定(47) 失われた20年間 3
平成10年以降の20年間はオンラインでの筆跡鑑定偽造の開発が活発であった。その目的はクレジットカード等の署名の認証をリアルタイムに行うものである。感圧シートを組み込んだタブレットや複数のカメラをセットした装置である。この開発には従来オフラインでの筆跡鑑定を行っていた研究者や装置メーカーの研究者が参入して活発な論文発表が行われている。論文発表の場は従来通り電子通信情報学会であった。ではオンライン筆跡鑑定の開発がオフライン筆跡鑑定に応用される例はなかったのであろうか。現実としてはなかった。この間デジタル技術は急速に開発が進み、偽造文字は目視ではなかなkか本人の筆跡か否かが容易に判断出来なくなってきた。最近の二年間に昭和に書かれた署名を3件鑑定した。これらは一目で本人の筆跡ではないと解るものであったが、最近の鑑定依頼の署名は目視では真偽が判断出来なくて様々な解析をしないと真偽が判明しない案件が半数以上である。もはや目視だけでの鑑定は成り立たない偽造レベルになっている。