彼と過ごす時間は
本当に幸せそのもので、
日々大好きが更新されていった。
何かあるとすぐに報告したくなって、
嬉しい事も悲しい事も、
いつも一番に連絡していた。
子育てで大変な中、
私との時間も大事にしようとしてくれる彼が
とても愛おしくてたまらなかった。
しかし、独身で子供がいない私にとって
子供のいる生活を理解する事は
なかなか難しかった。
彼はよく、時間が無いと言っていた。
私はその言葉を聞く度、
時間は作るものだよ!と答えていたが
親となった今、
あの頃彼が言っていた時間が無いと言う意味を
しっかりと理解出来るようになった。
デートが出来るのも、
他のカップルに比べたら少なくて、
会えた時の喜びはとてつもなかった。
今日は帰るよ!と言われていても、
まだ帰りたくない…朝まで一緒にいて。
とわがままを言って、
何度も彼を困らせていた。
その度、彼は優しく答えてくれたが、
朝起きると、またやっちゃった…
と言う顔をしていたのを私は知っていた。
それでもずっと一緒にいたかった。
一緒に過ごせる時間が欲しかった。
過ごした時間はそんなに長くはなかったけれど、
沢山の思い出が出来た。
その思い出のひとつひとつに
深いエピソードが詰まっていて、
今でも時々思い出しては
キュンキュンしたり、苦しくなったり…
それ程、私は彼に染まっていたのだろう。
何度も壁にぶち当たり、
その都度話し合って、お互い泣いて、
でもいつも最後は笑いあっていたのに…
ある日のデートで、
抱きしめたいと言う映画を観に行った。
映画の主題歌が安室奈美恵さんの
TSUKIと言う楽曲で、
お互いに主題歌がとても気に入り、
映画の後でその話をしたのを
今でもよく覚えている。
私達は何もかも似ていた。
性格も、好きな食べ物も、
笑いのツボも、怒るポイントも、
いいなと思う物も…
話し始めるタイミングや
LINEのタイミングまで一緒の時も多かった。
だから今回も、
この映画の主題歌が2人にとって
お気に入りの曲となった。
でもまさか、
このデートが最後のデートになるだなんて
私も彼もその時は思ってもいなかった。