聴き比べ第17回は、
♪ Night and Day(夜も昼も)♪
コール・ポーターによる1932年のミュージカル『陽気な離婚』のナンバー。
「夜も昼も、近くにいても遠く離れていても、あなたのことを思う」
といった内容のラブ・ソング。
この曲も多数のジャズ・ミュージシャンが取り上げており、
多数の歌唱・演奏があるスタンダード・ナンバーですね。
今回はテナー・サックスで聴き比べを楽しみたいとおもいます。
選んだのが、2人のこの盤。
スタン・ゲッツ
全くスタイルの違うテナー・プレイヤーの2人です。
『 Stan Getz & Bill Evans 』
Stan Getz (ts)
Bill Evans (p)
Ron Carter (b)
Richard Davis (b)
Elvin Jones (ds)
1964.5.5&6
この盤は、先日ブロ友のSIN=KAIさんが記事に取り上げてらっしゃいました。
ご存知の方もいらっしゃるとおもいますが、
この盤のジャケット・デザインは再発盤バージョンなんです。
オリジナルはコチラ↓
此方は、BN(ブルーノート)ジョー・ヘンダーソンのリーダー作品のなかでは、唯一のワン・ホーン作品。
この盤のジャケット・デザインは再発盤バージョンなんです。
オリジナルはコチラ↓
エラ&ルイのジャケット↑
『エラ&ルイ』のジャケットを額縁にしたデザインの、
再発盤ジャケットのほうが好きなので此方をゲットしたんです。
ベースが曲によって代わりますが、当時のトップクラスのメンバーによる、
(b)(ds)が黒人で(ts)(P)が白人という興味深い編成です。
録音終了後に「お互いに望んでいたレベルに達していないと感じた」
というエヴァンスのコメントもあり、発売されたのは9年後の1973年。
それもゲッツとエヴァンスに承諾なしにヴァーヴが発売したというのは、有名なエピソード。
しかし、
聴く側の私からすれば「お互いに望んでいたレベルに達していないと感じた」というエヴァンスのコメントが信じられないくらいに、
余裕綽々とした職人芸ともいえる味わい深い演奏を聴かせてくれる嬉しい1枚であります。エヴァンスとゲッツお互いに,、どんな”レベル”を望んでいたのでしょうか・・・?!
『 Innner Urge 』Joe Henderson
Joe Henderson (ts)
McCoy Tyner (p)
Bob Cranshaw (b)
Elvin Jones (ds)
1964.11.30
5曲中3曲がオリジナル作品、1曲がDピアソンの作品が収録されているなかで、
残り1曲がスタンダードの♪ Night and Day♪を取り上げているのが興味深い。
バックがコルトレーン黄金カルテットの、
マッコイ・タイナーとエルヴィン・ジョーンズの2人。
私、モード系プレイヤーが演奏するスタンダード、大好きなんです。
この2枚に共通しているのが、
① ピアノトリオによるワン・ホーン編成。
② (ds)がエルヴィン・ジョーンズ。
それでは、♪Night and Day♪ 聴き比べです。
スタン・ゲッツ
Joe Henderson Quartet - Night and Day
ピアノトリオ+ワンホーンと同じ編成でありながらも、タイプの全く異なるテナーの2人だけに、演奏がこうも変わるのか!? がよく分かります。
この2枚の盤の録音当時の1964年。
エルヴィン・ジョーンズは、ジョン・コルトレーン黄金のカルテットの一員。
そして、1964年は『クレッセント』『至上の愛』とコルトレーン・カルテットの重要作品録音の年。
改めて、エルヴィン・ジョーンズを再認識した聴き比べの2枚でもありました。
改めて、エルヴィン・ジョーンズを再認識した聴き比べの2枚でもありました。
お付き合い、ありがとうございました。