日光市に板橋という地区があります。そこに「城山(しろやま)」という標高433.3mの小高い山があります。今回はその城山に登ってみました。
近所の方に 「日光連山がきれいにみえるよ」 と教えていただいたので、聞いてから一週間も経たないうちに登ってみました。なかなかの行動力でしょ

この城山、読んで字の如く、かつて山頂に「板橋城」という山城があったそうです。
ちょっと話が逸れますが、標高というのはほとんどの方がご存知の通り、海(日本の場合は東京湾の平均海水面)からの高さで表した高さの数値です(※1)。そして、標高とは別に、「比高(ひこう)」という言葉があります。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、要するに山や丘などの高さを近くの平地から測ったものです。登山口に書かれた看板によると、城山の登山口からの比高は150mとなっています(看板では比高という言葉では表記していませんが)から、そんなに高い山ではないということがおわかりいただけるかと思います。
※1 ウェザーニューズ社の面白いサイトを見つけましたので、こちらも参考にしてみてください。「標高」 と 「海抜」 同じだと思っていましたが、厳密には違うんですって。一つ雑学の知識が増えました

次にアクセス方法を見てみましょう。
場所は日光市の中心部今市から鹿沼市に抜ける途中、例幣使街道(国道121号線)の板橋交差点のすぐ近くにあります。現在は日光街道の森友(もりとも)という交差点から、国道121号線の板橋バイパスが通じているので容易にアクセスしやすくなりました。また、東北自動車道宇都宮インターチェンジから直結している、日光宇都宮道路の土沢(どさわ)インターチェンジが、板橋バイバス途中の至近距離にありますので、遠くからお越しの場合でも交通の便は良い場所です。
一方、電車で訪れる場合でも、城山の西麓を日光線が通っており、最寄り駅の下野大沢(しもつけおおさわ)駅からだと徒歩20分ほどの距離なので、電車で訪れるにも比較的楽に訪れることが出来ます。またJR線だけでなく東武日光線の明神(みょうじん)駅からも同じような距離なので、そちらからのアクセスも可能です。
今市(森友交差点)方向から来ると、板橋の交差点を左折して、日光線を陸橋で跨ぎ300mも進むと、ご覧のような「上板橋集落センター」という場所があります。、写真奥のほうが板橋交差点です。

ここは地元板橋地区の公民館がある場所で、城山に登山される人のための駐車場として開放されています。

その上板橋集落センターの前から登山口方向を望んだところです。横断歩道ありの菱形の道路標示がありますが、その先右側が登山口です。

ここがその横断歩道です。信号機のない横断歩道です。来た方向、板橋集落センターの先では道が少しカーブしていて、車の接近がわかりにくい場合がありますので、注意して横断してくださいね。

横断歩道を渡ると、きちんと登山道の看板が掲げられています。

日光市で立てた歩道マップもあります。ここには登山道の地図のほか、板橋城についての説明も書いてありますので、登る前に知識を得ておきましょう

板橋城跡は日光市の史跡に指定されています。

登山道口からしばらくは結構急な斜面を登ります。
さあ頑張りましょう!
ちなみに城山を頂上まで登ると、上で書いた通り決して高い山ではないのですが、割と急な斜面もあるので、やや健脚向きの登山道かもしれません。ただ僕が登ったときは、女性の方や初老の男女の方々にたくさんお会いしましたので、歩き慣れている方でしたら大丈夫だと思います。それでも杖は持っていかれたほうが良いと思います。途中お会いした方たちはほとんどの方がトレッキングポール(2本のスキーのストックのような杖)を持っておられました。地元の方の運動の場にもなっているようで、トレーニングウェア姿のお若い男性にも何人かお会いしました。この城山、かのように結構人気のスポットのようです。
登山口からしばらくはこのようなプラスチック製の土留めで階段が作られています。これは登山道の途中から分かれる鉄塔巡視路の設備として東京電力が設置したもののようです。

この階段を登り切ると登山道は右に折れるよう案内板が出ています。ここで鉄塔巡視路は分かれます。鉄塔を見るのも好きなマニアックな僕はそちらにも行ってみたいのですが、皆さんはきちんと右に曲りましょう(笑)。

しばし平らな区間が続きますので、ちょっと疲れた体をヒートダウンさせましょう。
え? まだ登り始めたばかりだろうって?ごもっともですぅ~、でも先は長いですぞ



これらは途中の登山道の様子です。東電の巡視路と分かれたあとは、登りとフラット(平ら)な部分を繰り返しながら段々標高が上がっていきます。この辺りでは木製の土留めで階段が設けられていますが、かなり急な場所もありますのでくれぐれもお気をつけください。また写真でおわかりの通り、杉の根っこがかなり出ていますから、こちらにも躓きませんように・・・。
ほとんどの場所は階段の横に迂回路的に人が歩いて獣道状に踏み固められた道もありますから、登りやすいほうで登るといいと思います。ただ、どちらにしても地面が湿っていたりすると滑りやすいのでお気をつけください。僕も帰りに下りる時滑って尻もちをつきました。そんなことからも、年齢に関係なく上で紹介したようなトレッキングポールを持っていくと良いかもしれません。

まずは「愛宕神社」が鎮座しています。

小さなお地蔵様が祀られています。きちんとお賽銭も上げられていますね。ちなみに僕は財布を持って登らなかったので、タダで家族の健康をお願いしました。何という不届きもの


お隣には「羽黒山神社」が鎮座しています。

こちらのご神体は何でしょうか。石に彫刻がされているようにも見えますが・・・。

道は少し下りますが、この先はまた上り坂が続きます。

途中、切り株の上に賽の河原のように石積みがありました。

山頂を目指してあとひと踏ん張り。上り坂です。ここでもお足もとには気をつけて・・・。

ここに分かれ道はありませんが、きちんと登山道であることの案内板があるので安心です。

少し進むと「駒乗り馬場」という案内板が出ています。

駒乗り馬場までの道は完全に獣道でした。

こんなふうにちょっとした平地がありました。
駒乗り馬場? はて、何をした場所なのでしょうか? 馬場というくらいだから、馬に乗る場所だったのかな?お城があったわけだし。でもこんな狭いところで?それともここで馬に乗り降りをして山を登り下りした? ネット検索でもその辺の意味合いが書かれた資料は出てきませんでした。



さてさてまた上り坂です。さあ頑張りましょう。えっちらおっちら。それ登れや登れ!

ちょっと先が明るくなってきました。頂上も近いようです。それあと一息、頑張れ~。

お疲れ様でした。頂上のフラットな部分に到達しました。

木々の間からは大沢方面の街並みが垣間見えます。はっきり確認したわけではありませんが、写真の真ん中辺りに見える少し大き目の建物は日光市立南原小学校でしょう。そこから左に目を移すと広い道路が見えるのがわかりますか? これが板橋バイパスと思われます。

木々の緑も鮮やかです。青空も気持ちいい。

板橋城の案内板が立てられています。何とここはまだ旧市名の今市市教育委員会になっています。

まずは東のほう、下板橋地区のほうを見てみましょう。ここも緑がきれいですね。桜の花も素敵だけど、緑もかなり癒されますよね。こうした緑を目に出来ることも登った甲斐があります。

そして桜の花も。これは山桜でしょうか。僕は山肌に咲く山桜が大好きです。皆さんご存知だと思いますが、和歌に詠まれる桜とは山桜のことを指しています。そして山桜にもいくつかの種類があって、ややこしいですが「ヤマザクラ」も山桜の代表格です。ちょっとググってみたら、この方のブログが見ていてわかりやすく楽しく拝見できます。桜の説明はこちらにお譲りします。これは何という種類なんでしょうか。霞桜かな。


東屋まで。きれいにされてますね。地元自治会の方のご尽力でしょうか。

東屋の柱に標高が示されています。

そして温度計も。なぜ温度計があるのでしょうか。こちらも地元自治会の方のご親切?今日は午前9時くらいに山頂に到達しましたが、17℃の気温でした。このあと山を下りてお昼ご飯を食べる頃には22℃まで気温が上がった日です。車で移動中の車内は暑いくらいでした。

ちょっとわかりにくいので、日光連山の峰の名前が書かれた写真を掲載してみます。看板よりたくさんの山の名前が載っています。
この写真はこの方のブログからお借りしています。
この写真はこの方のブログからお借りしています。


これらの写真はズームなしで撮影したものの抜粋です。男体山を始めとして、雄大な日光連山がこれだけはっきりと見てとれます。何の障害物もなく見られる場所もそうそうないので、この城山に登る価値は大きいですよ。
少しズームしてみました。主峰男体山(なんたいさん)から、大真名子山(おおまなこさん)、小真名子山(こまなこさん)、女峰山(にょうほうさん)などがきれいに見えます。
視線を左に振れば日光白根山にっこうしらねさん)などもしっかりと見ることが出来ます。

逆に視線を右に振ると高原山(たかはらやま、たかはらさん)も見えます。ご存知の方も多いと思いますが、高原山はいくつかの峰の総称で、主なものに鶏頂山(けいちょうざん)や釈迦が岳(しゃかがたけ)があります。
天狗岩方面に続く道はフラットな区間を経て下りになります。

下ってみると道が二手に分かれます。下板橋地区からも登山道が通じているようですね。

ここにも案内板があります。

そして道は更に下ります。
先へ進みましょう。

これが畳岩です。
別のアングルで見るとこんな感じに見えます。

畳岩と書かれた立札もあります。

これは道を進んで反対側から畳岩を見たものです。

今度は天狗岩が現れました。名前の由来は天狗に見えることからでしょうか。きっとそうでしょうね。

正面からのアングルでの写真です。

そして道を進んだ逆方向から・・・。

こちらも立札でしっかりと案内されています。

これは天狗岩から更に少し道を下ったところにある岩です。何の説明もありませんが、これも何かの形に見えるのは僕だけでしょうか?

この先にも道は続いていそうですが、麓の案内板でも天狗岩が登山道の終点になっていましたし、城山の登山道を探して車で走っているとき、南麓で「伐採中につき立入禁止」という看板を見ましたのでここからは進まないほうが良さそうです。その立入禁止の場所は山頂のものと違ってきちんとロープが張られていたので間違いなく立ち入れません。

戻り道でお城のあった土塁をもう一度撮影してみました。この写真だと土塁であることがよくわかると思いませんか?

さて、来た道を時間をかけて麓まで下りてきました。来るときはなかった自転車があるので、自転車でいらっしゃった地元の方もいるようです。城山は地元の方々の散歩(というにはちょっときつい?)やトレーニングの場所にもなっているようです。ここには木製のベンチもあるので、疲れた場合休憩するのもいいかもしれません。ただ車を停めた上板橋集落センターにもベンチがあるので、そちらまで行ってからの休憩のほうがいいと思われます。

中には流し台が置かれていて水道も使えます。傍らには掃除用具が置かれているところから、定期的に地元自治会の方がお掃除をしてくれているのだろうと思います。ありがたいことですね。
これは板橋バイパス沿いに最近出来たセブンイレブンの駐車場入口から城山を望んだところです。日光市にお住いの方は一度くらいは目にしたことのある景色ではないでしょうか。
こちらがそのセブンイレブン日光板橋店の店舗です。決してお店の回し者ではありませんが、城山に登るときにも買い出しなどの良い拠点になると思います。
下野大沢駅から城山に行くにはいくつかのルートが考えられますが、西口に出て、駅前ロータリーから南に伸びる広い道を駅を背にしてみちなりに進むとT字路で道路(市道だと思います)にぶつかるので、それを左に曲がり歩いてくると10分ほどでこのセブンイレブンのある場所に出ます。歩いてきた道と板橋バイパスが交差している十字路にこのセブンイレブンがあります。そんな位置にあるお店なので、電車で来た場合も良い目印、拠点になると思います。交差点の向かい側のの角にはツルハドラッグもオープンしました。徒歩の場合は下野大沢駅東口から日光線沿いに、城山の近くまで通る道路もあって、距離的にはそちら回りのほうが若干近いと思いますが、安全性やわかりやすさからはこちらのルートをおすすめします。
このセブンイレブンからは板橋バイパスを進み、板橋の交差点を左に曲れば、上で紹介した上板橋集落センターに到達します。
このセブンイレブンからは板橋バイパスを進み、板橋の交差点を左に曲れば、上で紹介した上板橋集落センターに到達します。
服装は本格的な登山の装備は必要ありませんが、ハイキング出来る格好か、トレーニングウェアなどを着用なさることをおすすめいたします。肌寒かったり曇天のときは、アノラックやレインウェアなどの防寒衣料も用意したほうが良いかもしれません。そんなに高低差のある山ではありませんが、それでも山頂は麓よりは気温は低いはずですから。靴は履きなれてスニーカーなどで良いと思います。街中で22℃の気温でもちょっと汗をかきましたから、Tシャツの着替えとタオルは持参したほうが良いと思います。また出来れば杖もあったほうが安全に登り下りが出来ると思います。1本物の杖でもいいですが、出来れば上でも書いたように2本のトレッキングポールをおすすめします。登山道は比較的きちんと整備はされておりますが、写真で見てきたように、急な斜面や滑りやすい場所、躓きやすい場所もあるので杖はお若い方で足に自信があっても用意したほうが楽に登山出来ると思います。ご参考までに。
今回は日光市板橋の城山登山のレポートでした。比較的気軽に登れるて眺めも最高なので、皆様もぜひとも訪れてみてください。
お問い合わせは日光市観光振興課まで。
0288-21-5710
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