第34場 2015年1月15日 アメリカ山岳部時間(MST Mountain Standad Time GMT-7)10時10分 ロッキー山脈地下基地司令部支所~秘密時空保安局局長専用寝室
ヘンリー・アンダーソン中佐を予定通りに煙に巻いて寝室に戻ってきてからさてとりあえず何をするのか決めてはいなかったがすぐにまた執務に戻るというわけにもいかない。一旦横になるといつまで寝てしまうかわからないので小一時間は考え事でもしていよう。事務長から手渡されたティモシー・カーマイケル中将からのメッセージはまだ読んでいない。読む気持ちにはなれないのだ。もし、重要な指令書であれば事務長経由というのはおかしい。どっちみちなにもかも見透かされているのと同じ状況のようなので放置していてもいいだろう。ティモシー・カーマイケル中将が今どういう業務をしているのか? 未来を知ることができる商売道具を使っても直近の年代ではまったく引っ掛かりがなくそれが逆に大きなヒントとなるが、退官後は下院議員、上院議員と政治家としての地位を着々と築いていく様子を見たときはは空恐ろしく寒気が走った。
推察の域は出ないが秘密時空保安局局長としての働きが認められて中央情報局に転出したのか、もしくはさらに上から見下しているのか、いずれにしろ既に彼の決済、判断によりわたしの首のひとつや二つどうにでもなる状況なのは確認できたのは大きな収穫だった。ジャクリーヌもたぶん中央情報局配下であの技量、力量、美貌からしてスパイ業務に当たっているとみていい。わたしの逸脱した行為を見つけたら不審死扱いで立派に葬っていただけるのか、それとも私自身も知らない持病?の心不全で旅立たせていただけるのか、なんでもいいから最期は喪主として華やかに着飾ってわたしの妻を演じてほしい。最悪なのは消されたあと誰にも見つからずに忘れ去られること、コンクリート詰めになってどこかの地下4階のシェルターの一部に成り果てて国家に貢献している人々の存在を報じることができない飼われたマスコミはウォールストーリー(wall story)を語らずに、ウォールストリート(Wall Street)のゴミ屑みたいな小ネタを拾ってお茶を濁しているネゴシエーター(negotiator)なのか? ときの政権とうまく取引して情報操作に加担して得たスクープ記事は先が見えるものからのささやかな米粒こぼしで大きな黒いねずみのしっぽは絶対に見せないように配慮している。
どうもまた頭の中で一篇変な小説を書き始めたようだ。
゛ウォールストーリージャーナル゛