お盆休みにポツンと1人になる日があったので、以前から観たいと思っていた映画を観るため渋谷のル・シネマへ。
8月2日公開 「あなたの名前を呼べたなら」
インドの映画だけどボリウッドとは全く異なり、派手な音楽や踊りはなく、ストーリィは静かに進みます。
19歳で夫を亡くし、大都会ムンバイで大富豪の男性の高級マンションで住み込みのメイドとして働くことになった主人公の女性・ラトナ。
住み込み先は、インドの建設会社の息子アシュビンのマンション。アシュビンは、アメリカで仕事をしていたにも関わらず、父の事業を継ぐことになり帰国。さらに結婚式前日に破談になってしまい傷心中の男性。
ご主人様とメイドという関係ながら、同じ屋根の下で時間を過ごすうちに少しずつ心が近づいていく2人……。
階級、身分の差をこえて2人の愛が結実
なら普通のストーリィだけど、インドの身分の差は、そうやすやすと超えられない
原題は、「Sir」。つまり「ご主人様」。
邦題の「あなたの名前を呼べたなら」は、超えることのできない2人の間の大きな隔たりを表した素晴らしいタイトルだと思います。
自由の国に生まれ育っていると、超えることのできない階級・身分の差を歯がゆく感じるけれど、この映画のストーリィもアシュビンがアメリカでの生活経験があって、“自由”への意識を持っている人だったから展開したお話だと思います(詳しくは、映画をご覧くださいね)。
ラトナが生まれ育った山間の小さな村では、未亡人は服装の制約があり、装飾品も身に付けることを禁じられている。だから、それが許される(村の親戚が誰もいない)ムンバイに向かう長距離バスの中で腕輪を付ける姿をたくましく感じた私。
村に残る妹の学費と、夫の実家への仕送りもしつつ、デザイナーになりたいという夢のためにご主人様にお願いして、裁縫教室に通い始めるラトナ。
抗えない運命を受け入れつつも、生きていくために手に職をつけようと踏ん張るラトナに共感した劇場の人たちも多かったのではないかと思います。
長い間、根付いてきたこの国の理不尽な不公平さには、外からワイワイ言う立場にないのかもしれないけど、少なくともこの映画を観て、それを目撃したことに1つの意味があると思うことにします。
ちなみにこの映画は、インドでは公開されていないそうです。
「あなたの名前を呼べたなら」公式サイト
http://anatanonamae-movie.com/
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