GHOST
東の地にゴーストタウン
噂好きの老人は手をとりうなづく
「訪ねてきて 赤い色の屋根
昔わたしが住んでた場所さ」
錆びた時間と埃の中 死んだ街
忘れられていく 思い出には遠い
「五十年前 事故で亡くした家族たちさ
幸せだった頃の写真
見つかったら持ってきて
また会いましょう 道に気をつけて」
割れたガラスと吹き込む風 死んだ街
赤い屋根には絡まる蔦化粧
踏み出す 腐る床
鍵のないドアと
見覚えある針のないレコード
陽の射す机に
褪せた写真立ての
中にいる 僕がいる
僕が どうして
東の地にゴーストタウン
噂好きの老人は「僕が視えたんだ！」
訪ねてきた 赤い色の屋根
昔の僕が住んでた場所さ