アケミ、という女がいた。
親の職場の元同僚だった。
アケミの、出勤時の服装は、いつも結婚式二次会のようなドレスだったという。
しかし、家から最寄り駅までが遠いらしく、その間は、チャリ。
アケミは、会社の飲み会などで、「わたし全然飲んでないから、これだけでいいでしょ」
と言い、絶対に割り勘はしない。
どこへ行くにも派手なアクセサリーをキラキラさせているが、
昼時は社内でカップヌードルをすする。
そんなアケミの伝説は昔よく親から聞いていて、
それだけだとケチなイメージしか残らないが、
実際に、親の会社のいろんな集まりで、会う機会もあった。
わたしは割と、嫌いじゃなかった。
むしろ、結構好きだった。
なんでかっていうと、
絶対に子供を(わたしは当時小学生)、子供扱いしない。
(多分、できないからだ。)
周りの大人と同じ口調、周りの大人と同じような会話。
アケミは、誰に対しても、「アケミ」だった。