カード目録は一般人の目の前からほぼ消えましたが、お金と同様、有る所には有ります。
①記録として保管されている。
②データベース(DB)に登録していない古い資料の検索のため、現役で活用されている。
図書館のHPには、膨大な蔵書のDB登録「資料の遡及入力作業」の沿革・経緯が掲載されていることがあります。例えば、国立国会図書館HP「過去に作成した書誌データに関する情報」には次のようにあります。
「当館では、1977(昭和52)年から、機械編纂システムによる新規受入の和図書の書誌データの入力作業を開始しました。」
そして、2020年10月20日のお知らせは次です。
「下記でお知らせしていた中国語図書の遡及入力作業が終了し、利用できるようになりました。
資料の遡及入力に伴う利用停止について(2020.7.2)
今回作業を行った図書の書誌データは、令和3年3月下旬までに、国立国会図書館オンラインで公開する予定です。
国立国会図書館オンライン公開前の資料についても、東京本館や関西館に設置されているカード目録等で検索し、利用することができます。」
あれ(=1977年)から43年!途中で休止期間が設けられたのか、作業全容を調べ尽くしてはいませんが、2020年になってもまだ遡及入力する資料があったわけです。
東京大学の駒場図書館のHPには今も「OPACに収録されていない資料(1986年以前受入れの資料など)についてはカード目録で検索します。」と書かれています。
《米国でのカード目録の終了》
LC:米国議会図書館
OCLC:Online Computer Library Center, Inc.
■LCによる目録の維持の終了 1980年1月1日
LC had decided to stop maintaining its public and official card catalogs beginning January 1, 1980. *1
LCは、1980年1月1日以降、公的および公式のカード目録の維持を停止することを決定した。
■LCでカード目録を終了し、オンライン目録を公式に開始する 1981年1月1日
The filing of cards into the Library’s main card catalog stops, and the online cataloging of the Library’s collections officially begins. *2
本図書館のメインカード目録へのカードのファイリングは停止し、コレクションのオンライン目録作成が正式に開始される。
■OCLCでの最後の印刷 2015年10月1日
OCLC prints last library catalog cards. Today’s library users have access to the world’s knowledge through digital librarynetworks. *3
OCLCは、最後の図書館目録カードを印刷します。今日の図書館利用者は、デジタル図書館ネットワークを通じて世界の知識にアクセスできます。
カード目録の更新・印刷・配布方法の詳細までは理解していませんが、割と最近までカード供給への要望が存在していたのだと想像します。結果、カード目録はほぼ4代に渡り継承されてきたと言えます。米国初の図書館であるハーバード大学図書館の創立は1638年、米国独立建国が1776年ですので、カード目録も立派な歴史と感じます。
【参考資料】
*1
*2
*3: OCLC News Releases, October 1, 2015
毎年他の木より一足早く咲き始める木が、数日前に開花していました。ほかの木も開花を始める頃です。司書コースが終わったので、この春は卒業の桜です。