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 世界中の山々を飲み込んだと伝えられるノアの大洪水。このとき発生した大量の水はどこに消えたのか。「全世界が水没したら大洪水の水の行き場がないのではないか」。普通に考えたらそんな疑問が浮かびますよね。私もそう思いました。この素朴な疑問の存在をすっかり忘れていたのですが、ひょんなことから大洪水の水の行方を知る手がかりになる可能性を感じる興味深い科学情報に触れたことがあります。今日はそんなお話をしてみようと思います。


 カンラン石と呼ばれる岩石がある。地球内部の凄まじい高圧環境下では岩石の結晶構造までもが変わる。これを高圧多形体という。カンラン石の高圧多形体の一つにリングウッダイトと呼ばれる岩石があり、これは地下520~660kmの深さにあるマントル遷移層の主要岩石で、火山の噴火とともに地下深くから地表に噴出してくることがある。こうして地上で入手したリングウッダイトの組成を詳しく調べてみると、大量の水が閉じ込められていることが判明した。その分析結果からマントルに含まれる水の全量を推定すると、現在の海の0.5~5倍にも匹敵するという。この種の関連する研究では日本国内の大学も顕著な成果を挙げているようです。


 この地球科学上の発見の情報に触れて、あるアイデアが閃いた!


「コレ、ひょっとしたら大洪水の水の起源になるのでは?」

「創世記の記述ではノアの大洪水の水の出どころとして豪雨もあるが、地下から湧き上がってきたというふうにはっきり読める!」

創世記7:11
『ノアの生涯の六百年目、第二の月、その月の十七日、その日に広大な水の深みのすべての泉が破られ、天の水門が開かれた。』

「研究結果が推定するほど地下深くにたっぷり水があれば、高い山々まで水浸しになることに何の不自由もない」

「地下から湧き上がった水で水位がグングン上昇しピークに達したあと、結局地下に潜っていったと考えればいいんじゃないのか?」


 地下深くの岩石中に閉じ込められた大量の水を岩石から分離して地上まで汲み上げる方法については取り合えずわきに置くとして(笑)、ノアの大洪水の水の大部分は地下から湧き上がってきたもので、水位の上昇により地表面を水で覆いつくした後、その水が再び地下に帰っていったと考えることができれば、ノアの大洪水の水がどこに消えたのかという疑問も解消する可能性がある。「うーん、これは面白い!」


 無論、研究者たちはノアの大洪水の真相を確かめようと分析していたわけではない。第一、ノアの大洪水の水の行方を解明する目的で研究を遂行しているはずもない。事実、聖書のエピソードと全くかすりもしない、宗教や信仰とは無縁の純粋な科学的動機に基づく研究活動の産物です。では、研究者たちはなぜ大量の水の存在にこだわるのか、大量の水が存在することにどんな意味があるのか。それは地球史の初期を語る仮説と結び付いているからです。地球が形成してまだ間もない頃(マグマオーシャンが冷えて固まって地球が岩石惑星らしい姿になった頃)、地球全体は大量の水で完全に覆い尽くされていたと考えられています。その後、様々な地殻変動とともに次第に大陸が出現してくるわけですが、地球が形成して間もない頃に存在していたはずの莫大な水は一体どこに消失したのか、研究者たちは行方不明になったその水を探索することで、惑星地球の形成史という壮大な仮説の検証を行なおうとしているわけです。


「地球が形成してまもない頃、地球全体は水で完全に覆われていた」と聞いてピンときた人、創世記の次の記述を思い出した人は非常に鋭い人です。


創世記1:2
『さて、地には形がなく、荒漠としていて、闇が水の深みの表にあった。そして、神の活動する力が水の表を行きめぐっていた。』

創世記1:9
『次いで神は言われた、「天の下の水は一つの場所に集められて乾いた陸地が現れるように」。するとそのようになった。』


 これらの聖句は、地球が形成して間もない頃、地球表面は水だけで覆われていたことを明白に示唆していますよね。聖書、信仰、宗教とは無縁の自然科学的探究が、結局聖書の記述に辿り着く場合がある。こういうことが稀にあるから本当に驚く。地球科学も自然科学の一分野なのだが、以上の話を別にしても様々な自然科学上の発見によって聖書への信頼を揺るぎないものにした、神への信仰を一層強化したという人は世界中にきっとたくさんいるのではないだろうか。その意味でも自然科学って本当に面白いと思う。しかし親しい友人にこれらの話を熱心に語ったことがあるのだが、のれんに腕押しの薄い反応しか返って来なかったのは、なんか残念だった。まあ興味の対象外だったみたい。