子どもの頃楽しく読んだズッコケ三人組シリーズ。本当に面白かった。NHKでドラマ化もされましたね。仲の良いクラスメートによる3人グループというのがまたすばらしい。私も小学校を除けば、中学、高校とそれぞれのステージで特に仲の良いクラスメートがおり、三人組というのはいろいろ思い当たることがあるわけです。友人はたくさんいましたが、交友関係の核となっていたのは3人のことが多かった。これは私の実感だが、意思疎通のスピード・密度からすると、目的ある行動にとって核となる人間関係は大体3人ぐらいがベストサイズだと感じている。昔の人が語る「三人寄れば文殊の知恵」とは私にとって納得できる至言。中学・高校の卒業後、それらの友人たちとはすっかり疎遠になってしまったが、彼らがこの社会の中核で優れた才覚を発揮し立派に活躍していることを最近マスメディア等で知るところとなり、「いやー大したもんだ!」とひざを叩いて感心すると同時にとても頼もしく感じている。
ズッコケ三人組シリーズはトータルで50巻まで続くロングセラーとなった。日本を代表する児童文学の一つだろう。どれもが魅力的な輝きを放つ作品ばかりなのだが、その中でも「ズッコケ山賊修行中」は一種の宗教共同体をトピックにした異色の作品だと思う。山中で山賊たちに誘拐された三人組と一人の大学生。連れてこられたところは、世間から隔絶した山奥で前時代的な生活を送る共同体だった。その共同体は、代々継承されてきた一人の女性を世の中の不条理のすべてを丸かぶりしてくれる有難い現人神として怖れ敬うことで、共同体としての体制を維持してきた。表面的には素朴な人間関係と自然と共生した静かな生活が過ぎていくように見えるが、共同体を抜け出そうとするならば、幼な子でも容赦せず打ち首獄門という血の掟が貫かれている。自宅に帰りたいという衝動を抑えきれず、共同体に馴染めなかった三人組が逃亡を図るも失敗。近隣の地元住民のみならず地元警察の一部も共同体の内通者であることが判明し、共同体に連れ戻された三人組は密告と逃亡の罪で掟により処刑を宣告される。八方ふさがりの状況だったが、奇策により三人組は大学生だけを残して首の皮一枚脱出に成功する。40数日ぶりに帰宅を果たした三人組だったが、協力者を得て共同体の痕跡を探すも手がかりは何も得られなかった。
「ズッコケ中年三人組45歳の山賊修行中」は少年時代の「ズッコケ山賊修行中」の後日談という構成になっている。「スッコケ山賊修行中」のラストで、俗世を捨て山賊たちとの共同生活を選択した大学生のその後が気になった人は少なくないと思うし、作中で山賊たちの素性が世間から隠蔽されたまま終了したことで、なんとなく薄気味悪さを感じた人もいるだろう。ズッコケ中年三人組で衝撃の後日談と結末が明かされるわけだが、背筋にヒヤリとするものを感じさせるのは、完成された作品であることの証だろう。私が論評することを許されるなら、少年・中年を通したズッコケシリーズでこのセットが最高傑作の一つと言えるのではないだろうか。
さて、ズッコケ三人組は小学校6年生という設定ですよね。皆さんはどんな小6でしたか? ズッコケ三人組のような楽しい思い出はありますか? 私が在籍した小6のクラスはいさかいと揉め事のオンパレードで、担任の先生も正常なクラス運営のために相当手を焼いていました。身体的なパワーに劣る私は、体格が良く圧倒的な腕力に勝るクラスのボスに絡まれて本当にろくなことが無かった。服従しなければボコボコにされるから始末が悪い。そういうデコボコしたクラスの中でもそれなりにたくましく過ごしていました。とりわけクラス担任の先生は辛抱強く児童たちのケアに全力を尽くしてくれていました。いずれそんなエピソードを書いてみようと思いますが、自分の生い立ちを振り返っていると、当時の教室の風景、先生やクラスメイトの歓声までもが鮮やかによみがえってくる。ズッコケ三人組の宅和先生ではないが、担任の先生には今でも特別な恩義を感じている。そういう気持ちが今の自分を勇気づけてくれる、まだまだ自分にやれることはたくさんあるんじゃないかと。本当にありがたいことだ。