以前、本ブログにアップしていたのですが、今日は私が学生のときに聞いた興味深いお話を再度ご紹介しようと思います。意外とお馴染みのたとえ話のようなので、とうに承知しているという方も少なくないかもしれません。面白いジョークだね!という捉え方もできると思いますが、私が初めてこの話を聞いたときはいたく感心いたしました。神の存在を直接感知することは難しいが、神の力は自分の思いがけない方法で働いているのではないかと、慌ただしく送る日々の生活の中で励みを得たり、勇気付けられたりしました。
ストーリーにはいくつかバージョンがあるようですが、文脈としては概ね以下の通りです。
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大きな川のそばに信心深い一人の男が住んでいた。
その信仰は、聖書の通読、日々の祈り、礼拝への参加を何十年も決して欠かすことのないほどだった。
ある日、その地域一帯を猛烈な嵐が襲った。
避難警報が発令され、町中大混乱の中、住民は次々に避難を始めた。
近所の住人が町を脱出しようとしたとき、その男にも声をかけた。
「うちのトラックに乗って一緒に避難しよう!」
しかし、男はその申し出を断った。
「俺はいつも神様に祈っている!だから神様が助けてくれるはずだ!」
仕方なく近所の住人は男を残して出発したのだった。
嵐は止む気配はなく、雨と風はますます強くなっていった。
そして、男の家屋もいよいよ浸水し始めたのだった。
そこへ救命ボートが男を助けるために近づいてきた。
救命ボートのスタッフが大声でその男に呼びかけた。
「おーい!ここは危険だ!早くこのボートに乗って急いで逃げるんだ!」
それに対し男は、
「俺は神様に愛されている!神様に祈れば助けてくれる!だからボートには乗らない!」
と拒み続けた。
説得を試みたが男は譲らず、途方に暮れた救命ボートは引き返すことになった。
河川の大規模な決壊により一段と水かさが増し、男はとうとう屋根上に登らなければならなくなった。
そこへ救助ヘリコプターがやってきた。
男を見つけた隊員が大声で叫んだ。
「おーい!そこにロープを降ろすから、さぁ!掴まるんだ!」
だが男は、
「俺は神様に愛されている!神様に祈れば安全なところへ連れて行ってくれる!」
と怒鳴り返すばかりで救助ヘリコプターを追い返してしまった。
男は「神様が助けてくれるから大丈夫だ!」と言って祈り続け、ついに濁流に呑まれ命を落としてしまった。
気が付くと、男は天国にいた。
それをご覧になった神様は男に言った。
「なぜお前がここにいるのじゃ!?」
男は答えながら神様に尋ねた。
「私はあなた様に祈りをささげました。私は愛されていると思っていました。ずっと待っていたのにどうして助けてくれなかったのですか?」
すると神様は困惑しながら答えた。
「ワシはお前の祈りを聞いて助けるために最初にトラックを送った。お前が拒んだので次にボートを送った。最後にはヘリまで送った。なのにお前は拒絶したではないか!」
(終わり)
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