Keyaki -15ページ目

演ってみると、

一人、また一人と持ち時間3分の演奏を終えていく。








自分は12番目なので、全体のほぼ真ん中。


自分の前のプレーヤーのパフォーマンスも見れるし、自分の出番が終わってからも後の人のパフォーマンスが見れる好位置だ。

自分より前の半分と後ろ半分で、そんなに大きく実力の差があるとは思えない。
大会オーガナイザーはパフォーマーの実力を平均させて分布させるはず。

つまりは最初の半分のパフォーマーを見れば、あとの半分のパフォーマーのレベルも測れるはずだ。

じっくりと前半選手の演奏を聞く。よくよく見て聞いた。

正直言って、自分とさほど変わりはないと感じた。

いや、もう少し大きく言えば「これなら勝てるんじゃないか」と思った。

いける。いけると思う。

よし、この会場を沸かせるイメージをしよう。自分が自由に演奏しているイメージだ。集中、集中!


そしていよいよ、自分の順番が回ってきた。

演奏のイメージもした、優勝するイメージもOK、練習もしてきた。この数ヶ月、このことだけに集中してきた。



ステージに立って司会者から紹介を受ける。

よし!いこう!




演奏が始まった。

最初の吹き出しはよかった。練習どおりだ。

よし、このままいこう。

次のフレーズはアレだ、あの何回も練習してきたやつ。

かましてやろう!







・・・あれ、





・・・・あれ、あれ?





音が小さい。





あれ、練習したやつがうまくできな、、、、






・・・・・あれ?





え?・・・・は?・・・・




え?なんで?なんでだ?




音が小さい。全然「迫」がでない。アレもうまくいかない。
乗れない。




いかんいかん、焦るな。
落ち着いて。






いや、でも、あれ?





全然音が小さい。
小さい。旨くできない。
練習どおりいかない。




なんでだ。もう時間がない。






あと30秒しかない。






え、なんでだ?ヤバイ時間が・・・・・





音が、




音が全然、、、







時間切れ・・・・・・・終わった。




「・・・・・・・・・・。」




司会者「OKーーー!Keyakiに、はーーーくしゅーーーー!!!」


会場「パチパチパチパ・・・・・。」




俺「・・・・・・・・・・。」





そしてバトルスタート。

時刻は午後7時をまわり、いよいよバトルが始まる。

まずは司会者とオーガナイザーが挨拶。バトルの説明、会場の説明、大会の趣旨などを話す。






そしてビデオ選考をパスしたスペイン、ポルトガル、イタリア、フランス、スイス、日本からの21人が集合。

本選にすすめるのはこの予選を勝ち抜いた8名のみ。





持ち時間は一人3分。自前のディジュでフリースタイルで演奏する。

ステージ上には5人の審査員。





審査は加点法で行われ、

1、音のバリエーションの豊富さと大きさ
2、音楽性の高さ
3、Show性、エンターテインメント性の高さ

を軸として評価される。



出番をまつ参加者は緊張を隠せない。
歩き回るもの、やたらと水を飲むもの、自分は何度もトイレに行った。




一人目のリスボンからの選手、Joaoが始まると会場に一気に人が増えた。








ただいま。

無事かえってきました、From Grenoble。

四方を山に囲まれ、町のはずれには大きな雪解け河がゆったりと流れ、高い木々が気持ちのいい木陰をつくり、町の中心以外はほとんど森という、なんとも素敵な場所でした。

9日の朝にBrusselsを出発。快適大好きTGVに乗ってLyonで乗り換えGrenobleに到着したのは午後4時過ぎ。










そこからLocalのTramに乗り換えて会場を目指す。

街を抜けて郊外へ進むとアルプスに連帯する雪をかぶった大きな山が見える。

久々の自然の広大な風景になんとも心が解けていく気分。







会場につくと、そこには既にアボリジナルアートやらディジュのブースやらが設営されており、それらしき人々が集まってなんやらいい雰囲気。





さっそくオーガナイザーに挨拶しようと会場に入ってみるとそこには堂々たる立派なステージ!



音響もばっちりで大会への意気込みが充分伝わってきた。

そうか、ここでやるのか。

あと数時間後にはこのステージの上で一人でスキルを披露しあうバトルが始まるのか。


ふと見ると、すでに待ち切れないお客さんや演者が同じような面持ちでステージを見ていた。