この記事は2023年5月1日に登った「和名倉山」の登山レポートです!^^
関東山地の中心部である「奥秩父山塊」の奥深くにひっそり佇む「和名倉山(わなくらやま)」。
(2021年2月「雲取山」から撮影)
日本二百名山に数えられているが、その山深さゆえ訪れる人も少なく、「奥秩父の秘峰」と称されることもある山。
(一番奥のなだらかに見える稜線が「和名倉山」)
標高2036.2mの山頂は樹林帯の中にあり、「山頂」と聞いてイメージするような展望とは、一切無縁の独特の世界…
どこからアクセスしても距離が長く、
険しい難所を幾度も越える登山ルートは、登山道の整備された現在でも難易度が高いとされる。
自分は過去に2回登っていて、その時にもお世話になった民宿「みはらし」さん!
ご高齢の女将さんが一人で切り盛りしていたので、コロナ禍を経て今も営業しているか心配になり連絡…
すると素泊まりなら宿泊できますとの返答に、久しぶりに訪れてみようと今回の山行を企画!
山仲間にアナウンスした所、高橋さんが参加を希望してくれてとても嬉しかった!^^
過去二回と同様にスタート地点は「秩父湖」で、迫力ある「二瀬ダム」を眺める所から登山を始めて、
湖を渡る吊り橋にも大興奮!(*‘∀‘)
繰り返し現れる急坂と格闘しながら、苔むす深い森へと誘われ…
途中空が曇って少しだけ雨がぱらついたものの、登頂後に通過する絶景ポイントでは圧倒される山並みを堪能する事が出来た~(;'∀')
距離も長ければ見どころも多い今回のルート!
山梨県甲州市の「三ノ瀬」にある「みはらし」さんは、近くに駅どころかバス停もない山奥。翌朝は丹波山村まで約14㎞の早朝散歩をへて、「丹波山村役場前バス停(旧・丹波バス停)」から奥多摩駅へと帰るのだが…
そんな余興も含めて、訪れる価値のある名山だと自分は思っております~( ;´艸`)
コースはこんな感じ!
Start:秩父湖バス停 ①:反射板跡地 ②:造林小屋跡 ③:北ノタル ④:二瀬分岐 ⑤:和名倉山 ⑥:東仙波 ⑦:西仙波 ⑧:山ノ神土 ⑨:午王院下 Goal:民宿みはらし
総距離:19.1km 標準コースタイム:10時間40分
累積標高差 登り:2009m 下り:1289m
コース定数:45.6
累積標高差 登り:2009m 下り:1289m
コース定数:45.6
この日の山行の様子をYouTubeにアップしました!( ̄▽ ̄)
それでは出来事の詳細を時系列で!(*‘∀‘)
勇壮な姿の秩父の名峰「武甲山」に出迎えられて、西武秩父駅に到着!
ここから「三峯神社行」のバスで登山口へ向かうのだが、GW中休みのこの日はバス待ちの長蛇の列に怯むところから山行は始まった。Σ(゚Д゚)
バスは増便してくれたけど、2台に分かれてもぎゅうぎゅう詰めのバスに揺られて約1時間…
そして迫力満点の「二瀬ダム」で一気にテンションが上がって、いつもの登山モードへ!(*‘∀‘)
豊かな水をたたえた「秩父湖」の景色も素晴らしいじゃないか~!
あちこちに満開の藤の花がぶら下がる!
今回は本当に藤があちこちに咲いていて気持ちも華やいだ!
こちらの三角屋根は「埼玉大学秩父山寮」!
こりゃ~気分も最高ですな~!( ̄▽ ̄)
吊り橋を渡り、道標に従い進路を左へ…
更に進んでいくとスギの樹林帯の急坂ゾーンが始まる。
しばらくは黙々と登り続ける我慢の時間だ~^^;
やがて登山道は尾根へと上がり、左手は植林された針葉樹、右手は緑の柔らかい広葉樹林へと変化。
新緑がとても気持ち良くて、ストイックな登りだったけど気分は悪くなかった。
木々の合間から「武甲山」付近が見えて思わず見入ってしまった。
そのすぐ先に最初のチェックポイント「反射板跡地」がある。
ここからしばらくの間は、「作業道」的な傾斜の緩い斜面をトラバースする道を歩く。
今回はタイムスケジュールもタイトなので、歩きながらエネルギー補給!
登山道の右側斜面に突如「苔エリア」が現れる!
雨の少ない季節なのに、こんなに繁茂しているのが凄い!
ところどころ道は荒れている個所もある。
それにしても苔が美しい…
豪快に斜面が崩れている部分もあるので注意は必要だけど、
しばらくの間は癒し系タイムが続き、「造林小屋」へ向けて徐々に標高を上げていった。
辺りにさびた車輪やレールなど、文明の名残が現れる。
ここが「造林小屋跡」、朽ち果てた機材がそのまま放置されているのだろうか?
造林小屋跡を過ぎても踏み跡はまっすぐ続いているが、ルートは右側へと進路変更!
ここをまっすぐ進むとヤバいです~(^_^;)
右手へと登り、沢の源頭へと向かうガレ状の急坂を行く。
「コバイケイソウ」の葉が沢山あった。夏には咲き乱れるのかも!?( *´艸`)
苔むす急坂を黙々と登るストイックタイム。
足場が悪いので、この付近はホントにきつい~
足元に沢山咲くお花に心を癒してもらいましょう!^^;
タチツボスミレちゃんがあちこちに咲いていた~
山奥に向かって延々と歩いてきた結果、車の音なども消え、周囲にはほとんど人の気配を感じなくなる。
秘境感あふれる登山道、緩急を繰り返しどんどん標高を上げていく。
シャクナゲのつぼみも膨らんでいたけど、咲くのはもう少し後みたいだ~
険しさを増す登山道は過酷だけど、周囲の原生林の緑は美しくて気分は上場。
長い道のりを歩き、突如右手に小さな原が登場!
ここが恐らく「北ノタル」だろう!
北ノタルを通過すると、森の深さが一気に増す…
「ヘンゼルとグレーテル」を連想させる苔むす緑の樹林帯は、独特の空気感!
「バイカオーレン」が深い山の中に、春の訪れを告げてました~
苔がモフモフ!
一体どれくらいの年月でこういう景色が出来上がったのだろう?
「二瀬分岐」に到着!
ここから山頂まではピストン!片道の標準タイムは約20分です~
カラマツの低木地帯は、間を抜ける時に腕にチクチク枝が刺さって痛い…^^;
その後再び深い樹林帯へと戻り、探検隊気分を十分に味わったところで「和名倉山」の山頂に到着した。
標高は2036.2mで日本二百名山に選ばれている立派な山だけど、人が来そうな気配は全然ない(笑)
「秘境」という言葉がぴったりの非常にマニアックな山頂!
ここまでほとんど休憩を取っていなかったので、少し休んでエネルギー補給。
しかしまだ5月に入ったばかりの2000m級の山頂は、日差しが無いと結構寒い…
完全に体が冷めてしまわないうちに、行動を再開する事にした。
二瀬分岐から南側へ向かい山梨県へと向かう…
ちょっと森の雰囲気は変わったけど、苔はモフモフ。( *´艸`)
障害物競走のような荒れたエリアもあり…
長く過酷な道のりで疲れてきたところに、追い打ちをかけるように空模様が怪しくなった~
「もう景色は絶望的かな~」と思いながら歩いていたら、急に雲が抜けて青空が広がった!Σ(゚Д゚)
こんなドラマチックな展開があって良いのでしょうか~!(*´▽`)ノ
埼玉と山梨の県境エリアの山々にも興味津々!
ここまで頑張って歩いた「ご褒美タイム」を存分に味わいながら、絶景稜線を歩くのであった~
「焼小屋ノ頭」というピークを越えると、これから向かう「東仙波」と、その左側に「カバアノ頭」が見える
右側の深い谷の奥の山々も迫力が凄い!
ダケカンバの森はこの先緑の多い季節になると更に美しくなる。
2019年8月後半の、この付近の写真です~!^^
標高2003m「東仙波」に到着!
一面を笹に覆われた雄大な斜面の風景に、心が穏やかな気持ちになる。
登山道はまだまだ険しい箇所を通過するが、そんな岩場から眺めた「和名倉山」方面の眺めもとても良かった。
奥に黒く見える巨大な山体が「和名倉山」!
この付近はアセビの花が咲いていた!
清涼感のある甘い香りがとても良い!^^
そしてびっくりするくらい沢山「シャクナゲ」のつぼみを発見!!
これ全部咲いたら凄い事になるな~(;'∀')
西仙波の標高は1983m。
以前は山名表記的なものがあった記憶があるけど、この日は見当たらなかった。
夕陽に照らされて、緑が更に美しく輝く「苔の森」を抜けて登山道は進む~
変化に富んだ登山道からの景色は、和名倉山から南側へと向かうルートの方が素晴らしい。
所々で富士山の姿も拝む事が出来た~!( *´艸`)
ご褒美タイムは終了し、過酷な笹藪タイムの始まり…
これでまだマシな方だけど、足元が見えにくくて、うっかり笹の茎を踏むと滑ってコケる…
足腰に疲労がたまっている中で、キツイ藪漕ぎは時間にして20分程続いた。(*_*;
「山ノ神土(やまのかんど)」で藪エリアを脱出して一安心!
秘境の村「丹波山村」も最近徐々に人口が増えているという話だし、時代はどんどん変わっていくものですな~
( ̄▽ ̄)