この記事は2022年8月24日に登った、北海道の「ニペソツ山」 の登山レポートです!^^
 
北海道の屋根「大雪山」の東部にそびえ、強烈な岩稜をまとった姿が実に見事な「ニペソツ山」!
 

標高は2013mで、長く険しいアプローチを経て、更に荒々しい岩場を登らないと辿り着けない頂は難易度も高め…^^;

 

「深田久弥」が「日本百名山」を書いた時、まだ彼はこの山に登っていなかった。

(左:ウペペサンケ山 右:ニペソツ山)

 

後日「ニペソツ山」に登頂した深田は「ニペソツには申し訳なかったが、その中に入れなかった。実に立派な山であることを、登ってみて初めて知った。」と記したらしく…

ゆえに「まぼろしの百名山」と称される事もある名峰!

 

かなり長めのコースタイムなので、一泊で挑む人も多いみたい。

こんな景色の所にテント泊なんて羨ましいと思ったけど、天候急変の多い大雪山なのでそう甘くはないかもしれない…?(゜゜;)

 

「大雪山」は地元からも近くなじみ深い山域だけど、東大雪エリアの山はあまり経験がなく…

近くの日本二百名山「石狩岳」や、

 

「ウペペサンケ山」など、

見栄えのする立派な山も多くてワクワク!^^

 

百万年前の大噴火で生まれたとされる火山性の巨大カルデラ「十勝三股カルデラ」も圧巻の姿!

 

序盤に現れる「三条沼」が癒される美しさ…

 

長く続く樹林帯は体力勝負だけど、緑が深くて植生の変化も個人的には楽しかった。

 

昼前には晴れるとの天気予報だったが、登っている最中の標高の高いエリアはガスガスの上に吹き飛ばされそうな強風(笑)

登頂時も表情には余裕なし!(;'∀')

昨年の「浅間山」登山を思い出すレベルの風との戦いは過酷だった~

 

下山の途中から周囲は晴れ渡り、なんとか絶景を楽しむ事ができました!^^

 

実は昨年2021年の山旅の最中、北海道滞在中に一度チャレンジしていて、その時は天候が悪く延々と真っ白な景色に心が折れて途中で退散(笑)。

今回は無事に登れてよかった~

 

コースはこんな感じ!

Start & Goal:幌加温泉コース登山口 ①:三条沼 ②:ニペソツの展望台 ③:前天狗 ④:天狗のコル ⑤:ニペソツ山頂上

 

総距離:22.7㎞ 標準コースタイム:11時間20分
累積標高差:1905m コース定数:47

 

この山行の様子をYouTubeにアップしました!( ̄▽ ̄)

 

 

それでは出来事の詳細を時系列で!(*‘∀‘)

 

当日の朝はまだ暗い3時頃に実家の美瑛町から車で出発!

「層雲峡」を越えて、「大雪湖」そばの「大雪トンネル」の手前を右折し、「糠平」方面へと南下する。

登山口へ向かう途中には、絶景スポット「三国峠」!

標高1139mと北海道の国道では一番標高の高い峠で、東大雪の山々に囲まれた巨大カルデラ「十勝三股カルデラ」を眺める事ができる。
百万年前の大噴火でできたカルデラも、今では底に樹海が広がるネイチャースポット。
 
これから登る「ニペソツ山」には、少し雲がかかっていた…(;'∀')
天気予報は昼頃には晴れ…
本当に晴れるかな??
 
ナビに「幌加温泉・鹿の谷」を設定して現地へ向かい、少し手前の林道を入った所に登山口の駐車場がある。
そこそこ広さはあるけど、駐車スペースは地面がボコボコしていて、オフロードカーじゃない場合は要注意!(゜゜;)
 
そして大雪山の深い山に入るので「ヒグマ」にも注意!
食べ物の匂いに寄ってくるらしいので、食料のゴミを捨てたりするのは絶対ダメです~(*_*;
念のため「熊撃退スプレー」を持参したけど、そろそろ使用期限が切れそう(笑)
 
休憩を含めて15時間前後かかるとな…?
ヤマケイさんのコースタイムは11時間20分。
おそらくテント泊用の荷物を想定してのコースタイムだと思うので、15時間は大げさだと思うけど、長い道のりなのは間違いない。^^;
 
序盤は樹林帯に続く林道歩き。
 
2㎞ほど林道を歩いた所から山道に突入だ~!
間違ってそのまま林道を進まないように気を付けましょ~^^;
 
前半は何度も現れるぬかるみ地獄に苦労する。
 
小川を渡ったり、崩れかけた登山道を歩く個所もあり、大自然のアドベンチャールートって感じだ。
 
 
今年は雨が多いって話で、キノコや苔もあちこちに!(*'▽')
 
幌加温泉コースは登山口から山頂までの距離が12kmくらいあるみたい。
長いアプローチは緩やかな斜面で徐々に標高を上げていく。
 
登山口から3.5㎞ほど歩いた辺りから急坂エリアに突入!
足元がぐちゃぐちゃしていて、なかなか歩きにくい急坂…
その先もどんどん登っていくと、突然美しい水場の「三条沼」が現れた。
池は二つあり、最初の沼は標高1140mで、次の沼は標高1150m。
二つ目の沼の畔に「三条沼」と書かれた道標が設置されていた、水面に映る日の光も神々しい実に癒されるスポットだ~^^

 

 

さあ、登山道は険しさを増すぞ~!(;'∀')
 
まだまだ続く長い道のりに備えてエネルギー補給!
 
苔の緑が鮮やかで美しい!(*´▽`*)
とにかく山深い東大雪エリア!苔があちこちモフモフだ~
 
やっと半分くらい(笑)
 
突然眺望が広がり、青空が気持ちいい!( ̄▽ ̄)
 
しかしその先の崩落地から眺める「ニペソツ山」頂上方面はガスガスのまま…
なんなら三国峠で見た時より、ガスが濃くなってる??(笑)

 

そんな事には負けずに、きれいな白樺林を抜けていく~
昼頃には晴れるはずなんだ~(;´Д`)
 
振り返って見えた「糠平湖」も青空の下で素晴らしい景色!
 
もう少し進むと、巨大カルデラ「十勝三股カルデラ」の全貌を確認できる圧巻の眺め!(゜゜;)
 
北側(左側)には「石狩山地」が連なり、幅8㎞にわたって広がる広大なカルデラ、…凄い!!

 

そんな絶景を背後に急な上り坂を進んでいき、マップに「ニペソツの展望台」と書かれたポイントに到着!

本当は前方の「前天狗」から「ニペソツ山」へと連なる強烈な山並みが見えるはずなんだけど、肝心の部分は真っ白のまま…^^;

本当に晴れるんですか~!?(笑)

 

左手を見ると、「ウペペサンケ山」にも雲がかかっていた…

標高の高いエリアのみガスの中…、何とか晴れてくれ~(´Д`)
 
大きな岩やハイマツの根が行く手を阻む、険しい尾根道を下って登り返す。
 
 
この付近から高山植物のお花も姿を見せてくれた!
↑こちらは「イワギキョウ」!
 
↓こちらは「コケモモ(実)」!
 
少し窪地になっていて風の弱い楽園感のある場所に出た!

確か去年来たときはこの付近がまだ雪渓になっていて、道が不明瞭で困惑した記憶あり。(*_*;

ここから稜線に出るまでには急坂が待っているので、少し休憩&補給をしてから先へと進んだ。

 

振り返る景色がどんどん素晴らしくなる!

 
足元すべりやすい急坂もあり、なかなか難所感のあるエリア!
心細いロープだけど、それでも有ると非常に助かる!
 
 
溶岩石と思われる岩がゴロゴロして、植物の緑とのコントラストが美しい場所を通過!
この付近で「ナキウサギ」も登場してくれたけど、すぐに隠れてしまって撮影は出来なかった~(^_^;)
稜線へ登る最後の激坂は、足場も崩れやすくてとても登りにくいけど、周囲に咲く「ハクサンイチゲ」はそんな緊張感を癒してくれた~
 
ついに稜線に立った!ここから山頂までは残り3㎞!
 
森林限界を越え、遮るものがなくなった稜線は風の強さも一気にアップ!Σ(゚Д゚)
 
延々と強風にさらされているとそれだけで体力を消耗するので、少しだけでも避難しようと前天狗岳の携帯トイレブースに近づく…
しかし扉が壊れているのか開かなくて、中には入れなかった(笑)
ちなみにこの携帯トイレブースの付近は少しなだらかなエリアで、一泊でニペソツ山に登る人たちは、この付近にテント泊するみたいです~^^
 
一瞬青空が広がりかけて、期待したけど~!
すぐにまたガスガスに戻って、稜線歩きはずっと真っ白な景色の中の我慢の時間。

赤く色づいた高山植物はきれい!
季節は8月後半、下界はまだまだ夏なのにこの日は強風の上に日差しがない関係で、かなり寒かった。
 
急に付近のガスが薄くなってきた!( ゚Д゚)
前方のピークは「天狗岳」っぽい!
 
周囲の景色が見えてくると、テンションも上がってくる!
 
東大雪の景色が雲の中から見えてきたぞ~!(*‘∀‘)
 
そしていよいよニペソツ山に登るという直前のタイミングで、なんと!雲が一気に晴れて大迫力山体が登場した!!Σ(゚Д゚)

なんと立派なボリューム満点の山なのだろう!(*'▽')

 

山頂まではあと1km!強風にも負けず頑張ろう!

 
左手を見ると、「ウペペサンケ山」にかかっていた雲もスッキリ晴れていた!
 
ニペソツ山は晴れたり曇ったりだけど、その雲の動きがめっちゃダイナミックで凄かった!
 
荒々しい岩場も登場するニペソツ山への山頂アタックのはじまり!

 

振り返る景色もド迫力だ~

 

 

強烈な岩稜帯を右側から回り込むような形で登山道は進む。

深い谷を眺めながら山頂方面を目視するが、再びそっちはガスガスに…^^;

なかなか思うようにいきませんな~
 
そして左側が崖になった頂上近くの稜線は、この日一番の突風エリアで…
吹き飛ばされないよう足を踏ん張って一歩一歩着実に進む…(;'∀')
 
今までで三本の指に入る強風登山を無事に乗り越えて、なんとか標高2013m「ニペソツ山」に登頂!
表情からもギリギリな様子が垣間見えると思います(笑)
 
こんな状況では山頂にも誰もいないだろうと思い、GoProで撮影しながら登頂の瞬間に大声で叫んだら、すぐそばの岩陰に数人の登山者がいて恥ずかしかった。。(*´Д`)
自分も風裏にあたる岩陰に隠れながら、山頂のガスが晴れるのを待ってみた。
 
持参したパンを食べながら待っていたけど、時々一気に晴れそうな気配が見えて、なかなかゆっくり食べる余裕はなかった(笑)

けっきょく、こんな感じの映像を撮影するのが精いっぱい…

 

既に時刻は12時過ぎ…

昼過ぎてもあまり様子が変わらないので、今日は一日このまま真っ白な気がして下山を開始した。

予想はしていたけど、ガスっているのは標高2000m付近のみで、少し下ったら雲を抜けて周囲の景色が見えるようになった!

 

そのまま周囲の景色を楽しみながら天狗岳方面へ歩いていたら、付近にかかっていたガスがついに晴れて絶景が見え始めた~(;'∀')

天狗岳方面!見応え抜群の荒々しい景色が広がっていた!

 

そして振り返った「ニペソツ山」も強烈なルックス!

 
東大雪エリアの山々の景色も凄いね!!

 

ウペペサンケ山と、その左には「糠平湖」も見える!

 

大雪山の核心部方面はまだ雲の中の様子だけど、圧巻の景色を楽しみながら来た道を引き返した。

 

「天狗平」周辺から振り返った「ニペソツ山」!

凄い山に登ってきたんだな~^^;
 
前天狗方面への登り返しはけっこうキツそう(笑)
溶岩石がゴロゴロして、見た目は天上界っぽい美しさがあるけど、ちょっと歩きにくいエリアです。
 
いや~実に立派で堂々たる姿の山だ!(*´Д`)
 
何度も振り返りながら来た道を引き返す。
まだ下山の途中だというのに、いつかもう一度登りたいと既に思いながら歩いていた(笑)
 
前天狗の携帯トイレブースの所まで戻ってきた。
さっきは無かったテントを発見!
今夜はこんな絶景の所に泊まるんだ~、羨ましいな~!(*´▽`*)
 
日本二百名山の「石狩岳」擁する石狩山地の山々も、いつか登ってみたいな~
 
ウペペサンケもずっと気になっていた~!(*´Д`)
 
地元とはいえ、北海道はまだまだ登った事のない山だらけ…
最近思うけど、登山とは登るたびに更に登りたいと思う山が増える、沼のようなものだ…^^;
 
登りで苦戦した激坂に、下りはもっと注意しながら稜線からの降下開始…
 
「ニペソツの展望台」に戻るころには、山頂方面の雲もすっきりなくなり、迫力の山並みを眺める事ができた!
 
十勝三股カルデラは更に青空が美しくなっていた…
秘境感がハンパない!
 
何度も山頂方面を振り返りながら順調に下山し、登山開始から10時間半ほどで、無事に登山口へと戻ることができた。
普段より気持ち時間がかかった気がするけど、それくらい強風の影響が大きかったのかもしれない…^^;
 
下山後のお楽しみは、登山口のすぐ近くにある「幌加温泉・鹿の谷」!
 
昨年ニペソツ山を途中撤退した後にも来ているんだけど、4種類の源泉を楽しめる知る人ぞ知る秘湯!
 
スマホも圏外の山の中にある温泉で、混浴なんだけどこの日は他にお客さんがいなくて貸し切りでした!^^;
ほんのり硫黄の香る露天風呂の湯が、個人的には一番気に入ったかも!^^
許可を得て写真撮らせてもらってます~
 
帰りも「三国峠」に寄って、周囲の景色を存分に楽しんだ。
ここは電波が届くので、無事に下山した事を家族に連絡するために寄ったのもある。^^;
東大雪エリアは、今も手付かずの自然が残る、秘境の山々たちの世界だった~
(*´▽`*)