おサルが、次の就職先を決めた。
 
退職前の有休消化中に始まり、もっと長くかかるかと思われた転職活動は、結局2か月弱で終わった。
彼のこれまでのキャリアに全く関係の無い、未経験の業界の小さい会社で、5/1から半年間の契約社員生活がスタートする。正社員登用が前提だけれども、まずは、使い物になるかどうかを試されるのだ。
 
労働条件は厳しい。
今のアパートの家賃は払えなくなる予定で、働きながら次の住処も探さねばならない。
 
今年のお誕生日プレゼントをまだ渡していなかったので、「転職祝いが良い?何が欲しいか教えてね」と声をかけておいたら、
「やはり誕プレは自炊の費用を浮かせる援助をお願いできますと幸いです」とLINEメッセージが来た。
先日は、伊豆高原の実家の管理対応に付き合ってもらったが、その途中で寄った食事処では、私の奢りなのを良いことに、とんでもない量を平らげていた。
子どもの頃の小食ぶりや、食べるのがとてつもなく遅かったことを思うと感慨深い。・・・が、おサルよ、人間の体の構造では、エネルギー備蓄にも限界があるのだよ。
 
 
おサルの今回のキャリア選択は、will・can・mustで言えば、can・mustは度外視。willというよりもlikeだけで突き進む道を選んだ訳だ。
若い頃は、willは度外視して、can・mustだけで打算的、且つ堅実的にキャリア選択をしてきた私とは違って、ロマンチック街道を歩むことにしたんだなぁ。
 
 
転職活動中、おサルの目指す業界で長く働く私の友人にも会わせて、話を聴かせてもらい、アドバイスももらったが、おサルから彼女への、行き先が決まった報告とお礼メッセージの中には
「おそらく想像以上に厳しい世界かと思いますが、ひとまずガムシャラにやりたいと思います!」
という言葉があって驚いた。
普段、飄々としているおサルの辞書に「ガムシャラ」なんて言葉があったなんて!
 
でも、ここまで割と「ガムシャラ」に仕事をしてきた私としては、勿論嬉しい。
仕事に対するスタンスは人それぞれだけれど、やっぱり一生懸命真面目に打ち込む人の方が好きだし、信頼できるから。
 
 
元来体育会系ではなく、ストイックとも無縁な生活を送ってきた私が、人生で初めて、一番打ち込んだのが仕事だったのかもしれない。学生時代までは、放送部や委員会活動も、バンドも、ウィンドサーフィンも、アルバイトも・・・とそれなりに忙しくしてきたが、当時からマルチタスクが得意だったからやれていたことだし、自分の中で「楽しい」を超えない範疇の中で、と無意識に決めていた様に思う。
 
最近、学生時代のウィンドサーフィンの同期が、当時のことを思い出して、「いつも、どうやったら速くなれるかを考えていた。上手な人の動作をよく見て、真似をして、自分のものにしていった」と話していたが、同じ時期、私が考えていたことは、「太陽が波に反射してキラキラ、綺麗だなぁ~」とか「江の島まで行くなら、どんなオヤツを持って行ったらいいかな~、袋にフルーツを入れてボードの後ろに結び付けておいたら、辿り着いた時にはうまいこと冷えているかな~」なんてこと。必然、彼女はインカレ1位になり、私は予選すら通過しなかった。
 
 
でも、仕事を始めてからは、私なりに求められていることを一生懸命学び、自分が関わった分の付加価値をつけて、次の方にバトンタッチが出来る様に・・・と努力してきた。その改善も、より本質的に、そのために、長期・全体で捉える様に、そして速く。そういう職業人で居続けることが自分の誇りにもなっている。
 
おサルの選んだ道は一般的には茨の道だ。
 
でも、好きな世界だからこそ、逃れられないハードワークにも不条理にも耐えて、続けて、その中で実力をつけて、結果を出して、よき出会いを活かして、信頼貯金を貯めて・・・自分自身のキャリアを自分でしっかり切り拓いて欲しい。
環境のせいにする人ではなく、「自分だったら何ができるか」と考えて、行動ができるプロフェッショナルになって欲しい。
 
母としては心配しか無いが、キャリアコンサルタントとしては楽しみだ。
最近観て感動した映画、「浅田家!」の主人公、写真家の浅田政志さんのお母様の様に、どっしり構えて見守りたい。
 
 
*****
 
 
さて、「ガムシャラ」街道を歩み続けてきた私も、セカンドキャリアについてはもう少しwill・want・like寄りに、そしてこれまでとは違ったペースでやりたい、と考え始めている。「人生100年時代だから・・・」とお尻に鞭を打つ様に煽る風潮もあるけれど、ちょっとした違和感もある。だって、健康寿命も延びるとは限らないんだから。
 
先日、ガーナからのお客様との食事会があった。

日本は初めてとのことで、印象は?と聴くと「Japanese are very busy」だって。ガーナでは「カックラカックラ」(ゆっくりゆっくり、step by step)という大事な言葉があり、度々使うそうだ。

 

そうだよね。

こんなに忙しくする必要があるのか、忙しくしている分の成果は上がっているのか、そこをもう一度考えなければいけない。

2023年度の国際比較では、日本の1人あたりの労働生産性は、OECD 加盟 38 カ国中 31 位、データが取得可能な 1970 年以降、最も低い順位だって
 

個人としては、OECDの物差しだけじゃなくて、自分の心の中にある物差しでどうなのか、も考えたい。

 

文藝春秋5月号「有働由美子のマイフェアパーソン64」では、作家の万城目学さんが興味深いことを言っていた。
 
「私には無職の才能があった」
会社を辞める前の有休消化期間中に、くまのプーさんの3000ピースのジグゾーパズルを買ってきて、背景の空の青を1時間に1ピースのペースではめて・・・(中略)・・・
「何やってるんだろうなと思いながらも、ピースを探す自分も愛しいし、有意義に使える時間をどぶに捨てる楽しさというか」
 
これに対し、有働さんも
 
「有意義でないと無駄と思い込んで生きて参りましたが、有意義って誰のための有意義だったのか。もしかして私の費やしてきた有意義な時間は自分のためではなく、誰かが作った社会常識に添うだけの有意義だったのかもしれないなとドキッとしています」
 
と自戒している。全く同感だ。
 
だから、最近の私の挑戦は自分のwill・want・likeにどれだけ正直に、過ごせるか。
「いや、これまでだって、十分好きな様に生きてきた様に見えるけど」と言われるけれど、もっと、もっと、と貪欲になっている。
 
やるべきことをさっさと先に終わらせる性質なのは、その後の時間が気持ち良いからいいとして・・・
時間が全然足りなかったワーキングマザー全盛期の後遺症の様な、うたた寝すると罪悪感を感じてしまうとか、予定を詰め込み過ぎてしまうなどの癖は辞めたい。
自然の中で、カックラカックラ。もう少しゆったり過ごしたい。
 
 
そんな私の、今月の心と体の栄養。
 
大好きだった、懐かしきオバQ達。
 
美味しいものたち。

学生時代、沼津での夏合宿の間に行っていた、懐かしき丸天。

 
同窓会に来やしない同級生と行った、淡路島。

ちょうど桜が見頃だった。

何処に行っても浜辺はチェックしておきたくなる。

 

GW最初に行った七面山と身延山。

頑張って登ると涅槃(ねはん)に達するという、久遠寺の石段は 104m。1段1段が挑戦的な高さで、恐ろし過ぎて手すりを磨きながらしか上り下り出来なかった。
文句無しの青空。ロープウェイに乗り、7分間で辿り着く奥之院からは、富士山も富士川も一望できた。
 
地元逗子のハーフマイルビーチも、相変わらずいい感じ。朋友の連れてきたワンコも寛いで。

5月からは、今年のヨットシーズンがスタート。
6月からは海イベントも音楽イベントも続く予定なので、もうこれ以上何も入れないぞ~。