2020年の回顧と2021年の展望 | ますたーの研究室

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英詩を研究していた大学院生でしたが、社会人になりました。文学・哲学・思想をバックグラウンドに、ポップカルチャーや文学作品などを自由に批評・研究するブログです。

 

新年あけましておめでとうございます。2020年は大変お世話になりました。本年も変わらずにどうぞよろしくお願いいたします。

新年1発目の更新として、個人的な回顧と展望を少し書かせていただければと思います。

 

 

2020年という年は──今さら僕なんかが言うまでもないことですが──COVID-19が世界中で猛威を振るい、様々な面で変化を余儀なくされた1年でした。

端的に言って、昨年は個人的に最低の1年間でした。これだけははっきり言っておきます。

 

 

ですが、この時勢の中で学生から(狭義の)社会人へと状況が変化したことは、不幸中の幸いだったと感じています。

研究室や図書館にも行けず、友人や知人に会うことも叶わず、オンライン授業に忙殺され、コロナ禍の中で思うように学生生活および研究生活ができなかったらと思うとぞっとします。

それに比べると、在宅で仕事ができて、とりあえず日々の糧が目の前にあり、問題なく給料ももらえる生活を送ることができたのは、はるかにまし、というか比較するのが憚られるほど普通に幸福だったと言わないと罰が当たるでしょう。

コロナ禍に新入社員になった私たちは一般的に不幸とされていくのかもしれませんが、コロナ禍に学生をやっているよりははるかに幸福な世代であると、これは強く思います。

また、そうであるからこそ、全ての学生にしわ寄せが行っている現状に強い憤りを感じています。今年は早く社会が良くなることを願うばかりです。これは、世界が良くなることよりも早く実現可能であることのはずです。

 

 

さて、研究をしている身分から仕事をしている身分へと変化をするにあたって、(当然ながら変わらなければならないところは変わるとしても)自分の核といった大切な部分はあまり変わらないようにすることを目標としていました。

しかし、昨年は様々な面で自分は変わってしまったことを痛感した1年間でもありました。それに伴う辛くて痛い経験も少なくありませんでした。

 

 

このブログは、自分を変化の波から守る防波堤としてあります。また、変化の経過を可視化するための一里塚としてもありたいと願っています。

なので、今年も書きたいことを書く場として変わらずにブログを続けていく所存です。お付き合いいただけましたら幸いです。

 

 

仕事の話も少し。

2020年4月から仕事を始めましたが、結局1度も出社して仕事をすることなく昨年は終わってしまいました。

年明け以降も引き続きフルリモートでの仕事が予定されていますが、院生の時以上に引きこもり生活を送っていること、もっと正確に言えば仕事の場が生活の場とイコールになったことで、よりヴァーチャルな生を生きているという実感が日々強まっています。

 

 

幸いなことに仕事は順調に進んでおり、とてもいい環境で仕事ができていると実感しているのですが、のべ8か月もリモートワークを行っていると、不思議な感覚に浸っていることにふと気づきます。

昨年1年間をかけて、世界ではウイルスが猛威を振るっているのをわき目に、自分の8畳一間の空間がどんどん箱庭のユートピア(片仮名のセカイ!)と化していきました。

日々仕事をするために、サイバー空間に接続したパソコン1台を通してこのセカイと社会が毎日つながっていたわけですが、会社の方ともクライアントの方とも直接的な面識がない中で日々淡々と仕事を続けていく日常は、ふと客観的に眺めたときにかなり奇妙なものだったと思います。

 

 

娯楽の面でもそうです。

ステイホームで音楽やアニメ、あるいは配信ライブなどを楽しむことは、ただただ供給される膨大なコンテンツを家の中で消費していくことだと思っていて、その瞬間瞬間は楽しいし快楽的ではあるものの、この生活をずっとやっていたら生の感覚が徐々に薄れていくのではという危機感を常に抱えていました。

この状況の中で Uber Eats 等も活用して食も外注してしまっていたら本当にヤバかったと思います。そこだけは踏みとどまりました。

 

 

毎日ずっと家にいることでなんとなくふわふわしていくこの実感は、良かったとも悪かったとも思いませんが、ただ奇妙な感覚として「在った」ということは、忘れないために書き残しておきたいと思います。

やっぱり身体を動かして仕事をしたいし、生身の人間と触れ合って生活を送っていきたいなあ、ということです。

仕事をするということは、孤独に個室で作業をすることでも、画面の向こうの人たちとヴァーチャルな関係を取り結ぶことでも、本質的にはそうではないはずです。仕事は、もっと高次かつ包括的に、自分の「生」を規定する何かであってほしい。そんな働き方を今年は模索していきたいです。だから、仕事に邁進していく1年間にしていければいいなあと、社会人2年目になるにあたって思うわけです。

 

 

早いもので4月からは後輩が入ってきますが、オフィスの行き方すらよくわかっていないので、まずはそこをなんとかしたいですね。