仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインド | にしくんの映画感想図書館

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★★★★★★☆☆☆☆

2024年

監督  田崎竜太

出演  半田健人  芳賀優里亜  村上幸平

PG12

 

期待と驚きが混じった作品だが、紛れもなく「仮面ライダー555」を見た満腹感はある

 

園田真理は菊池啓太郎の甥・条太郎、海堂直也、草加雅人とともにクリーニング店「西洋洗濯舗 菊池」を経営しながらオルフェノクの庇護を行っていた。その一方で、スマートブレイン社はオルフェノクの殲滅を目指す企業へと変貌を遂げ、北崎が社を率いていた。ある日、追いつめられたオルフェノクを助けるため、草加と海堂は仮面ライダーカイザとスネークオルフェノクに変身し、オルフェノク殲滅隊隊長の胡桃玲菜/仮面ライダーミューズと交戦する。そこへ数年前に真理たちの前から姿を消し、消息不明となっていた乾巧が現れる。しかし、かつてとは異なる姿の仮面ライダーネクストファイズへと変身した巧は、スマートブレイン社の尖兵としてその力を振るい始める。

 

2003年から2004年にかけて放送された平成仮面ライダーシリーズ4作目「仮面ライダー555」の続編作品。監督はテレビシリーズでも監督を務めた田崎竜太が務め、脚本はテレビシリーズ全話の脚本を担当した井上敏樹が書いた。キャストも半田健人、芳賀優里亜、村上幸平、藤田玲、唐橋充と言った当時のキャストが集結した他、新たな仮面ライダーである仮面ライダーミューズは福田ルミカが演じた。

 

「仮面ライダー555」は異色の作品だった。前作「仮面ライダー龍騎」は仮面ライダーが13人登場し、それぞれが自身の願いのために戦うという物だったが、本作では一転して怪人であるオルフェノクに焦点があてられたドラマを展開。主人公である乾巧自身もオルフェノクで、怪人でありながら仮面ライダーと言う設定だった。

 

本作はそういった流れを継承しており、テレビシリーズの続編であるということをしっかりと観ている側も感じることが出来る。啓太郎がいないのは残念ではあるが、20年経てば俳優さんの人生もいろいろだ。仕方が無いだろう。テレビシリーズで死んだはずの草加雅人=仮面ライダーカイザと、北崎が登場している。一体2人がどういう形で復活したのかは、「まぁそうするしかないよな」という展開だった。

 

バトルシーンに関しては個人的には非常にカッコよくて良かったと思う。特に最後の戦いは非常に熱いものがあり、やっぱりファイズはカッコいいなぁと思わせてくれた。新しいファイズのデザインに関しては、正直言ってダサいと感じたが、戦闘は結構カッコよかったので、そこは良いだろう。ラストのクリムゾンスマッシュやガラケーでの変身は、やはり胸が躍るものがある。

 

そんな感じでカッコいいアクションはあったのだが、やはりストーリーは気になる部分が多い。中でもやはり賛否が分かれるのが園田真理がオルフェノクになることと、乾巧とのラブシーンだろう。まぁオルフェノクに覚醒することに関しては、真理自身が一度死んでいてオルフェノクの記号を持っていることから、いつ覚醒してもおかしくは無いのだが、問題は乾巧とのラブシーンだろう。テレビシリーズでは別に恋人同士と言うわけではなかった。確かに2人には特別な絆が存在したのは間違いないが、そこに恋愛感情があったかは、観る側の解釈に委ねられるところだった。それが本作で遂に男女の関係になり、しかも2人ともオルフェノクに変身してのラブシーンである。これは観る人によってはかなり好き嫌いが分かれるシーンではないだろうか。また、巧の行動が全体的に軽かったのが少し気になった。

 

あと真理がオルフェノクになって自殺しようとするシーンだが、このシーンだけ映像がかなり雑だったのが気になった。少し笑ってしまうほどに変なシーンだった。

 

それでも概ねいい評判だと思う。ファイズはやっぱりカッコよかったし、物語も色んな意味で井上敏樹らしかったと思う。上映時間の関係で、かなり観やすい作品だったと思う。20年の時が経って、大きな画面でファイズが観れたのは、嬉しかった。

 

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