将棋電王戦で、現役名人がコンピュータに負けるという衝撃から約1週間。
将棋という「マインドスポーツ」において、vsコンピュータと人間同士ではどう違うのかという考察。
現役名人がコンピューターに負けた。 将棋電王戦が、人間同士と違う部分。(2017/04/09)
コンピュータは心を持たない。だからこそ、常に冷静で形にとらわれない手を繰り出すことができる。
人間は相手を顔色を伺い、相手がこの局面をどう捉えているのか、自分が有利なのか不利なのか、
そういった、将棋の盤面以外の要素も含め、次の一手をどう指すかを考える。
コンピュータの体力は電力。その供給が止まれば停止してしまうが、そうでない限り疲れるということはない。
人間の体力、気力には限界がある。おやつや食事をとり、時には休憩をはさみ、勝負を続ける。
コンピュータの手を見ると、人間には思いつかない手を指すことがある。
一見するとなぜ?と思うのだが、指されてみるとなるほどと思う。
人間同士でそういうことはなかなか出てこない。
コンピュータと戦うときの魅力、あるいは恐ろしさはこの辺にあるだろう。
人間同士の戦いは、盤面の勝負だけでなく、上記のような心理戦にある。
相手が疲れている、困っているようであれば、わざと早く指し、相手に時間を使わせて追い詰めることも勝負の一貫だ。そして、これはコンピュータには通用しない。
vsコンピュータも、vs人間も、それぞれに魅力がある。
電王戦は今回が最後だが、まだまだプロvsコンピュータの勝負を見てみたいと思うのは自分だけではないだろう。
もちろん、全く歯が立たないのではどうしようもないが、それは何とかルールで工夫できないものだろうか。