子どもの中学受験に伴走していて、子どもの時間の感覚は大人と全く違うと感じることがしばしばありました。
親は焦るばかりなのに、子どもは危機感なくノンビリしているように見えました。
そのことをこれまでもブログに書いたことがありました。
年を取るたびに、どんどん時間が流れるのが速くなっているように感じる…。
こんなことを思っていたら、フランスのジャネという哲学者が提唱した、「ジャネーの法則」というものがあることを知りました。
曰く、「生涯のある時期における時間の心理的長さは、年齢の逆数に比例(年齢に反比例)する)」
つまり、10歳の時に体感する1か月の時間の長さは、30歳の時の10日間に相当する。
年齢が3倍になると、感じる時間の長さが3分の1に短くなるというわけです。
100歳になるとどうなる?
何と、赤ちゃんにとっての1年の長さが、たったの3、4日になっちゃう!
数学的にはともかく、心理学的には、人は未知のもの、新しいことを体験するとそれが強く心に刻まれて留まるため、時間を長く感じるといいます。
日々惰性で生きていると人生短いということでしょうか…。
ジャネーの法則にしたがえば、親から見た「半年後」は、小6の子にとっては1.5年とか2年先のことに思えていたわけです。
どうりで、小6の夏が終わっても危機感をもたないわけです。
「あと2年後か…」
こんな感覚なので、入試が迫っていることがイメージできませんでした。
子どもはようやく12月になって目の色を変えました。
入試2か月前でした。
親からみれば「もう時間がない」と焦るしかありませんが、子どもにとっては、「半年あるいはそれ以上」にあたると考えれば、結構な時間です。
入試を自分事として捉えて本気になる、この「ラスト2か月」の頑張りこそが中学受験において最も重要であり、最も伸びた時期であったと実感しています。
(参考:ジャネーの法則も紹介されています)