ままごと遊び、お医者さんごっこ、お店やさんごっこ。
何歳までだったろうか。
私の時代には、小学校になっても、結構「ごっこ遊び」をしたと思う。
中でも、小学2年か1年の頃、女子の間で流行っていたものがある。
「ピーちゃんごっこ」というものだ。
確か途中で転校していった女の子が発案したんだっけ。
その子が転校して、いつの間にか大人になった私たちは、しなくなった。
簡単にいうと「家族ごっこ」なんだけど
そこに「ピーちゃん」という要素が加わることで、その遊びはいかにも独創的だった気がする。
しかも、田舎だったから、校舎の外は土があり、木があり
格好の舞台だった。
ピーちゃんは、鳥だった。
なんの鳥だったろうか。そこまで細かく決まってはいなかっただろうけど
とにかく「ピーちゃんと、その家族をとりまくごっこ遊び」で
女子たちはにわかに翼を持つ自由さと
「ピー語」を話す新鮮さに夢中になった。
テンプレートのない、ある日突然始まった、
自由なフレームのなかで演じる遊び。
細部は思い出せない。
発案したその子は、クラスで一番勉強もできる子だったから
彼女が全部考えたのだろうか。
役回りはどうなっていたのか、ざっくりとした記憶のなかでしかない。
筋書きも何もないのに、なぜあれほど続いたのか、続けられたのか
今となっては本当に謎だらけだ。
けれど、わくわくした気持ちだけは覚えている。
早くこの授業が終わらないかと、待ち遠しかった。
メルヘンちっくなのに、破天荒で、ほんとヘンな遊びだったが
多分、無限に想像力が刺激されて
楽しかったんだろうな。
「ごっこ遊び」は空想の世界を演じることで、観察力や想像力、演技力が育まれる。
読み聞かせをたくさんしてもらった子は、ごっこ遊びがうまいという。
二人以上なら、協調性や社会性も育まれる。
たかが遊び、されど遊び。
時には親子で楽しむのもいいと思う。