自民党の小林鷹之氏が、総裁選出馬にあたり、自分は「普通のサラリーマン家庭の出身だ」と強調していた。

 

この方、公立小学校、開成中学・高校、東大法卒、大蔵省という経歴である。

 

小林氏のいう「普通のサラリーマン家庭」とは何なのだか、と思った。

 

御三家と言われる私立中高一貫校に中学するには、入学のためのコスト(塾代ほか)、および入学後のコスト(初年度:現在なら120~150万円)が必要である。

そして、卒業生の多くが進学する東大の親の平均年収は軽く1000万円をこえていて大学TOPであることも周知の事実である。

 

ネット情報ではあるが、父のプロフィールが特定されている(正確かとうかは不明ですが)。さる東証2部(かつて)の上場企業で、取締役と監査役を歴任している。

 

近年の有価証券報告書では役員報酬の平均は10百万円だが、たぶん「取締役○○部長」とかだったんじゃないかと想像すると、経験的にみて1500万円くらいの年収ではなかったか。

 

これを「普通」というかは、国民の捉え方であろう。

2部とはいえ上場会社は、我が国ではほんの一握りであり、そのまた役員はさらに一握りである。大手商社やメガバンクなどの待遇からすればともかく、サラリーマン平均からして「普通」かといえば、あえて強調するほどでもあるまい。

 

何か庶民のふりをしているか、あるいは感覚が鈍いかだろうか。

 

東大法、大蔵省、ハーバード、外交官(対外公館一等書記官。なお大蔵省から出向はよくあること)を経歴としてあげているのだから、堂々とエリートであることを示せばいいだけのことだと思う。

 

みなさん大好きな、フランスとかイギリスとかは、良家の出身でエリートは政治家の条件ですらある。米国だって、なんだかんだいって、そうでしょ。ちなみに、フランスのエリート主義は嫌味でしかないようなくらいすごい。