訪日外国人の増加→航空旅客需要の増加→ジェット燃料の需要増加となる。一方で、我が国では国内石油製品の需要減少を受けて、石油精製設備等の能力を圧縮してきている。車の燃費は飛躍的に向上しGSも減ったのは目に見えてわかることだし、政策効果は不明だが「ポリ袋絶滅運動」だって多少の影響はある。

 

さて、ここへ来て、「ジェット燃料が足りない」と政府と業界が騒ぎ出した。ジェット燃料の国内輸送や給油業務などの関連部門での人手不足も指摘されているが、本質的には「ジェット燃料」の生産・輸入が不足しているということである。

 

当面は、韓国から輸入して凌ぐことになった。私の記憶だと、かつては東アジアではシンガポールが航空機燃料の給油拠点になっていたかも(シンガポールで給油するだけじゃたりないのだろう。韓国は船舶輸送が簡単だからだろう)。

 

さて、いつも石油関連の話で不思議なのは、「ポリ袋を廃止しろ」とか「ジェット燃料増産しろ」とか主張する人がいるが、中学校か高校で、「石油の分留」ってのを習っているはずなのである。

 

原油(石油)を350℃くらいに熱すると、冷却するときに、その炭素数に応じて、石油製品が区分される奴である。

軽い方から

①石油ガス(LPガスなど)

②ガソリン・ナフサ(石油化学工業の主たる原料)

③灯油・ケロシン(灯油・ジェット燃料)

④軽油

⑤重油・アスファルト

などが一定の収率で精製される。

なお、軽油や重油を熱分解させて、②③あたり採ることもできるが限度がある。

 

ちなみに、ジェット燃料というと特殊なものに思えるが、基本は「灯油」

 

何が言いたいかというと、ガソリン車などが減れば、ジェット燃料だけのために石油精製設備を維持したり増強したりはしない。なぜなら無駄だし、環境に悪いから。

 

輸入すればいいというのは無責任であり、結局、他国の二酸化炭素排出を促進しかねないのだ(私は、人為的温暖化説には与しないし、ツバルが沈んでいる証拠を知らないけども)。

 

そもそも、航空機は、二酸化炭素排出面では、最悪の乗り物である。航空機は、なかなか電化は難しい。海外旅行なんて行かなくて死ぬものでもあるまいし、月1回だけ超大型機満杯にして飛べばいい(料金は10倍くらいだろうけど)。

 

大体、SDG'sとか恰好つけている女優などが、ファッションショーで大量廃棄の衣類を宣伝し、海外のリゾートを紹介しているのは、トンでもないことなのだ。高学歴にくせに本当に馬鹿なのか、儲けのたねに気づいて計算づくなのかは知らないが。