多度大社の上げ馬神事とは、人が騎乗して急な泥坂(壁)を駆け上がり、農業の吉凶を占うというもので、680年以上の歴史があるとのこと。しかし、かねてより動物虐待ではないかとの批判があり、さらに昨年度は、馬が脚を骨折し安楽死に至った。

 

そこで、今年は、駆け上がる「坂」をなだらかにする措置が取られた。

私は、それがいいとか悪いとかはどうでもいいのだが、理解できない点がある。

 

680年以上前の神事で、できるだけ歴史を守りたいという割にはおかしな点。

 

・なぜ「サラブレッド」なの?

 

サラブレッドは、平地・高速用に作られた血統であり、歴史は200年程度に過ぎない。病気やケガをしやすい欠点を持つ。

したがって、上げ馬神事は、長期間、在来種の農耕馬だったんじゃないのか。低速・頑丈・ケガしない馬である。北海道のばんえい競馬みたいなイメージ。

 

・戦前までの日本人は、一回り以上小さかった。

 

要するに、本来の上げ馬神事は、在来馬に女性か子供がのって、低速でぐいぐい坂を登るイメージじゃないのか。とすれば、現在の在り方が、完全な見世物にしてしまっているのではないか。

 

なお、日本列島には、馬はいなかった。古墳時代に朝鮮半島から蒙古産の馬が渡ってきて、根付いたのが「在来馬」である。馬や人は貴重なので、古墳には「埴輪」になって埋めたのだ思われる。神事とは所詮そういうものだ。