今年の桜(ソメイヨシノ)の東京の開花日は3月29日であった。

 

さて、3月中旬のテレビなどマスコミは「大幅に遅れる」「桜祭り危機的」とか騒ぎ立てていたことを覚えてますか。

 

気象予報士なる専門家も「今年の開花は大幅に遅れる」とばかり言う。

 

「遅れる」のは「何に対して遅れるのか」が重要なのだ。

たぶん「2023年に比較して」ということなのだろうが、2023年は記録的に早咲きで、それこそ「地球温暖化」「桜まつりに桜が間に合わない」など大騒ぎした。

 

さて、ここでは、気象庁の統計データを用いて検証する。何が普通なのかを。

1971年から2023年までの東京の開花日である。

なお、誤差の範囲として±1標準偏差を用いた。

 

53年分の平均(平年)開花日 3月25日 誤差の範囲 3月19日から3月31日

→これによれば2024年開会は、まあまあ普通なのである。

 

早咲き上位 ①20年/21年/23年(3/14)、④02年/13年(3/16)

遅咲き上位 ①84年(4/11)、②85年/86年(4/3)、④74年/88年(4/2)

 

これをみると、2000年代、特に2020年台は早咲きである。一方、80年台はかなりの遅咲きなのである。ちょっと驚き。開花時期(東京)は、2/1からの日中最高気温の累積値が600℃に達したときらしいから、ここ50年余りでの寒暖差が明らかになった。

私は80年代は、高校や大学だが、お盆開けで夏空が広がる思い出が結構ある。

 

さて、何が普通かは、実は、データの観測期間に依存的である。これは金融のリスク分析でも、しらばっくれるやつが多いのだが、短か過ぎるのはアウトだが、長すぎると本質が見えなくなる。

 

(71年~95年)

平年:3/28  誤差の範囲:3/23~4/3

 

(96年~23年)

平年:3/22  誤差の範囲:3/17~3/27

 

こうにみると、2024年の3/29は、ここ四半期では、外れ値であるが「大幅に遅れ」とは言えない水準である。

 

「大幅に遅れ」というのは、4月にずれ込むときであろう。