最近またちょっと盛り上がっているが、まずは地震の話。

 

地震には「予知」と「長期予測」があることは意外と知られていない。

 

私の子供の頃は「東海地震」は「予知」できるため、巨額の予算を投じて観測体制をつくり、予知した場合の避難体制などまで計画していた。

 

ここで地震「予知」とは、地震の発生時期、場所、規模(マグニチュード)を地震の発生前に精度よく予測することで、24時間内に静岡県で震度6の地震が起きるから逃げろという類のものである。

 

しかし、そもそも「予知」は不可能であり、東海地震対策は、予算獲得のための神話(欺瞞)であったと、の指摘されるに至った。3.11のあと有耶無耶にされてしまい、現在は、震度6以上の東京直下地震は、30年以内に70%の確率で発生するという「長期予測」に方向転換した。

 

しかし、東京新聞の珍しくまもとな記者が追及し、南海トラフ地震の発生確率の算出について、数字が高く出る地震確率モデルを使用していたことを指摘。普通のモデルだと20%がこれだと70-80%となる。結局、20%では危険性が伝わらないということで、70-80%にしたという。だったら出さなきゃいいのに。

 

阪神淡路、能登、熊本、3.11(規模・津波)などはほぼ外している。もちろん数パーセントとしているのだから確率論からすれば当たりともいえるが、それなら、結局、日本どこでも大規模地震が起きるリスクあり、ということと同じである。

 

次に、火山。御嶽山は2014年死傷者事故を起こしたが、1979年に死火山と思われていたが突如噴火したことがある。そんなものなのだ。古い文献に残る火山はわりとわかりやすい。一方で、群馬県「金井東裏遺跡」では、榛名山の火砕流に巻き込まれた「甲を着た古墳人」が発見されている。榛名山は古くは50万年前に噴火が開始。最後の噴火が古墳時代であり、伊香保温泉はこの噴火エネルギーが熱源と言われている。

 

天気予報。昔に比べたら飛躍的に当たる。スーパーコンピュータで計算するからだが、観測網が整備され投入できる過去データが沢山あるので予測範囲が狭くなっているのだろう。一方で、東京の降雪が当たらないのは、単純に実績データが少ないからであろう。台風より少ないでしょ。また、1週間先とかになるとあてにならない。シミュレーション計算がどんどん分岐していくので当たり前。

 

私は、自然予測って本当に難しいと思うし、あたらないのは当然だと思う。しかし、なぜ数十年先の地球の平均気温が1.5度上昇し、海面水位の上昇幅までわかるとみな信じているのであろうか。東京都は、1.5℃上昇を前提に防潮堤をかさ上げする工事に巨額費用をかけるそうな。しかし、過去の実績をみれば1万年前に縄文海進があった。このときは現在の東武伊勢崎線を中心に浸水し、群馬県まで海が到達していた。

 

何が言いたいかというと、予測はあてにならない、ということ。

 

地震はいつどこで起きるかわからない考えるべし。①人口減少社会なのだから地盤に良いところに住みましょう、②超高層マンションやビルは、倒壊はしなくても上層部で家具を固定しておかないと「ミンチになる」、③家具は腰くらいの高さのものにしておけ、④お菓子でしのぐのは辛い(3.11の経験)。

 

東京都で見た場合、なぜ都庁は新宿にあるか。ここの地盤は最強である。関東大震災で世田谷区での死傷者はとんでもなく少ない。一方で、道路公団が大深度地下にトンネル掘ったら地盤沈下した地域があったが、戦前の地図をみれば一目瞭然の湿地帯である。河川跡は、水害ではちゃんと濁流が流れる。世田谷あたりでの中小河川の合流点などは要注意なのだ。