東京新聞7月7日朝刊「こちら特報部」の記事。
精神科病院協会 山崎学会長に聞く。
東京新聞は、先般の滝山病院の事件を踏まえて、日本の精神病院が、欧米基準に未達人権無視の悪の権化と糾弾したいのだな、と行間からわかる。しかし、今回は、かなり相手が悪かったようだ。
以下は筆者の要約
(記者)年間1万件超の身体拘束があり、さらに増加中。欧米ではありえない。
(山崎)法律に基づき適切に対応している。内訳データがなく分析困難で対応不能。
(記者)中身なんか関係ないでしょ。
(山崎)関係あるよ。そもそも一般医療での身体拘束は6万件あるの知ってるか。
(記者)取材した精神科医は身体拘束で心が痛むといった。山崎会長はどうか。
(山崎)自殺やケガ防止のための拘束であり、心が痛むとかいう話とは違う
(記者)海外ではなぜ拘束件数が少ないのか。
(山崎)入院させないか、持続性注射を打って帰宅させちゃうから。
(記者)ならば日本でも、地域で見守る体制に本腰を入れればいい
(山崎)地域で見守るのは誰がやるの?キレイごと、他人事にしてる。年間70万円の障害年金でどうやって暮らせるの。
(記者)社会構造から変えないと
(山崎)医者になって60年になるが何も変わらない。みんな綺麗ごとはいうが、所詮、精神障碍者はキチガイだって思ってるよ
(記者)あなたもそう思っているのか
(山崎)僕は2代目で、小さいときから閉鎖病棟の患者さんに遊んでもらったよ。たまたま不幸にも病気になってしまった人と思っている。
(記者)精神科病院に入院し続けることは幸せなのか。30年入院しても。
(山崎)一人で生きていくのは難しい。30年たって出してどうするの。地域でとか言ってもボランティア頼みでしょ。
(記者)国連が、日本の強制入院を問題視し、全廃を勧告した。対応すべきだ。
(山崎)大きなお世話。国連なんて重くない。
(記者)滝山病院の事件の再発防止策は
(山崎)滝山への入院は全部他院からの紹介だ。難しい案件の患者こそ、公立病院で引き受けるべきでないのか。マスコミもそれをなぜ言わないのか。
東京新聞のこの欄は、左翼丸出し、結論ありき、事実誤認は毎度のことだ。なので、今回も「勝利した」と思ったから掲載したのだろう。しかし、押されっぱなしであった。記者には、経験も実感もない。山崎会長は、強烈な印象を受けるが、一つの筋論なのだろうと思う。滝山の件は、確かにその通り。民間病院に押し付けるべき患者であろうか。