甲州街道が開設される以前、都内と武蔵国の国府(府中)を結ぶ道は、品川道、人見街道、滝坂道であった。すでに人見街道と滝坂道は歩いたので、今回、品川道。
品川道は、品川(大井あたり)から狛江を通って府中市に至る古道。古道ぽさが残る部分と道筋がわからなくなっているところも多い。
狛江から大井あたりはすでに歩いているので、大國魂神社から狛江駅まで歩いた。
(大國魂神社)
武蔵国総社。西暦111年鎮座と伝わるが、さすがにそれはないだろう。大化改新以前に国府が設置されているので、それよりは古そうだ。まだ正月の参拝客が多い。
東門?(結婚式場の横)から、京所道を行く。
東にまっすぐ向かいと競馬場駅。多摩川の崖線上を辿る感じでいくと、八幡道に出る。未舗装。写真左手に、国府八幡宮が鎮座。
(国府八幡宮)
国衙の鎮守として祀られたものであろう。700年代前半。
敷地を京王線が通過している。
品川街道の標識
こんな道
(常久の一里塚)
一里塚が残っていることは割と珍しい。ここがメインの街道であった証拠。
所々にこういう標識があり助かる。
調布市に入ると、名称変更。統一したらいいのに。
飛田給駅と畑と標識。このあたりはまだまだ畑が残る。
ざっくり言えば国領駅に近いあたりの品川通り。左に拡幅した品川通りと右側が古道の品川みち。右にいくと、いかにも古道らしい(左右にカーブしながら抜けていく)道で狛江に入る。
(山谷庚申塔)
狛江市内。山谷庚申講は江戸時代から今でも受け継がれているとのこと。敷地も整備されていて継続的に清掃されているのが明らか。
右:1704年、左:1804年の建立
狛江市内に入ると、古道が入り乱れ気味で迷いそう。この庚申塔を右にいくと、品川みちの続き。小さな庚申塔でも花が添えてありこの地域の信仰心は強いようだ。
(伊豆見神社)
道なりにいくと右側に鎮座。889年に創設するが1552年の多摩川の洪水で流され現在社地に移転。とても参道が長い。
この先も慎重に道を辿ると、狛江市駅に到達。
ついでなので、弁天池をみにいく。駅前に池があるってなかなかないと思う。
(泉龍寺)
(弁財天)
(弁財天池)
奈良時代に良弁僧正が雨乞いを行い湧き出たとの伝説。旱魃でも枯れることがなく、下流に水田の灌漑用水として活用してきたが、昭和47年に枯渇。その後、井戸を掘り復活させた。
古道らしさを残す道であり、交通量も少なく歩きやすい。府中市と調布市では標識があり迷いにくい。狛江市内は、もともと道が細くて錯綜しており、ちょっと面倒。