約9年前に発生した王将フードの大東社長の射殺事件の捜査が動き出した。警察は実行犯として工藤会関係者を逮捕したが、どうも動機がよくわからない。

 

王将フードの創業家(加藤一族)と福岡のゴルフ場経営を行っていた某氏との間の不適切な取引に注目して捜査している由。実は、この取引取引については、事件後に弁護士による委員会で報告書が作成されており、今でも、うまくすれば読むことができる。また、店頭登録会社で現在は上場会社である当社の有価証券報告書からもその一端を伺いしることができる(関係会社を経由して流出している。単体からの融資では貸付先が主な資産・負債として開示対象とされるからだろう)。

 

報告書では、不適切な取引は総額270億円に及び、170億円が未回収、相手方は匿名となっている。なぜ匿名かは憶測を呼ぶが、もう書籍などでこれがだれかは明らかにされていたが、マスコミは一切触れない。

 

ところがである、先日のNHK番組で、某氏が顔出しで取材に応じていた。この方は、上杉昌也氏(78)である。これによると、両者の付き合いは、王将フードが京都市と調整がつかないときに解決に協力したのがはじまりだという。ちなみに謝礼に3百万円支払ったようだ。その後もこうした関係は繰り返され、不動産の売買等も行っていたらしい。

 

同氏曰く、両者の関係は認めるが、金額規模が水増しされている、工藤会の関係はゴルフ場の利用関係にとどまり、それ以上はないと語っていた。

 

別の情報では、同氏は、バブル期の不動産取引で蓄財し、地元のゴルフ場を取得したとのこと。当該ゴルフ場は、バブル崩壊の余波を受けて倒産してしまった。この時に王将フード側から金をひっぱられたのではないかといわれいる。

 

さて、そもそも、なぜ同氏は王将フード(加藤家)との関わりをもったのだろうか。また、自治体との間の交渉で力を持つとはどういうことであろうか。これって弁護士法違反じゃないのと思うがなぜ放置されてきたか。もちろん王将フードの貸出は特別背任だろうと気もするが放置していたのか。実際にそれで検挙するかは別として家宅捜索できただろうにと思う。

 

マスコミは、警察追随だよね。なんでだろう。私にはわかりせん。

 

なお、平成14年3月期売上高397億円(赤字の年度)と比較しても、不適切取引270億円は巨額であるとの指摘があるが、①取引総額はフロー概念であり未回収は170億円ほどでありさらにすでに損失処理している部分もあること、②平年の経常利益は35億円と儲かっており損失処理能力が結構あったのだ。ただ、取引金融機関が社債50億円のリファイナンス資金の融資を拒絶したのは、財務悪化もあろうが、コンプラ上の課題を払拭できなかったことが大きいのではなかろうか。現在はもっと厳格ですね。それでも国際的には日本のマネロン等の管理の甘さが指摘されており、このままではいずれ海外送金できなくなるそうです(もう他人事)。