FMラジオの読書コーナーで宮部みゆきの「火車」が紹介されていて興味を持った。途中まで読み進んだところで、既読であることに気づいた(笑)。さて、この本、大阪、伊勢、宇都宮などの都市が出てきて土地勘があると割と面白いが、主人公の刑事が住む「水元」は行ったことがない。地図を見ると、最寄り駅はJR金町駅。中川、江戸川、JR常磐線に囲まれた地域である。中川と江戸川を連結するように「小合溜」という、古利根川の残骸があり、これに沿って都営の水元公園が整備されている。ここは広大だ。
まず、「火車」の主人公が住んでいた公団住宅を探す。この本は発行が1990年。当時は住宅都市整備公団、現在のUR。調べると、金町団地という公団住宅があったがすでに取り壊されている。仕方がないので、金町第二団地の写真。
近くには、三菱製紙の工場があったが廃止され、現在は、東京理科大と住友不動産の分譲マンションなどに様変わり。但し、このあたり河川結果時は1~2m浸水する。駅前は下町の雰囲気が残るが、このあたりは全然違う。
水元公園に近づくと、「内溜」という盲腸みたいな池。釣堀状態。ここも都内では十分広い池。
園内は、日本には無い植生も。メタセコイヤの林。
不思議な感じ
木の種類はわからないが、こんもりが印象的
一部で桜が残っていた
メタセコイヤとサクラ
真ん中は、スカイツリー。
水元公園は広大で既に疲れ気味。「水元さくら堤」(道路)に沿って江戸川の合流点を目指すと、まず、堤の下に香取神社。何度も水を被っただろう立地。この土地にも古くから人が住んでいた証でもある。
南蔵院の「しばられ地蔵」
こんな堤を歩く
カスリーン台風で桜は全滅したが、ボランティアで植えなおしたとのこと
江戸川にぶつかるあたりに、カスリーン台風の説明版。昭和22年(占領下)の雨台風。群馬県・栃木県・埼玉県において洒落にならない洪水被害が発生。上流の洪水が旧利根川の後を流れてきたが桜堤で耐えていた。しかし破堤した場合の被害が大きすぎるため江戸川の堰堤を爆破しようとしたが失敗。結局、桜堤が破堤。葛飾区等で大水害被害を起こした。
破堤したのは、写真の真ん中あたりか。
江戸川河川敷。菜の花か。
葛西神社の大鳥居。本当に巨大。
このあと金町駅に戻る。江戸川の堤を歩いていけば、そう遠くなく矢切の渡し、柴又帝釈天に至る。しかしこの日は暑くて疲れた。水元公園は広すぎて危険。