私には、忘れられない思い出があります。
小学校のときの同級生だった男の子のことです。
(※恋愛ではありません笑)
彼(Aくん)はいつも、クラスの中で浮いていました。
休み時間に一人でいるのはもちろんのこと、なぜかいつも「A菌」とバイ菌扱いされていました。
「鉛筆を貸したら、鉛筆かじられた」「鉛筆を貸したら、鉛筆で鼻ほじほじしていた」「ハナクソつけられた」などの話を聞いたので、そういうエピソードのせいでそうなったのかもしれません。
そういう周りの子の対応に、Aくんは特段気にする素振りもなく、放ったらかしでした。
Aくんが何も言わないので、「いじめ」と問題視されることもありませんでした。
私はAくんとは仲が良かったわけではなく、クラスの雰囲気にモヤモヤしながらも、そういう子たちに加担することもなければ、彼の味方になることもありませんでした。
ただただ「変わった子だな」と思っていました。
そんなAくんに対する私の見方が大きく変わったのは、小学3年生の算数の時間。
「大きな数」の授業をやっていたときです。
一億とか一兆という、0がたくさん並んだ数が登場して、足し算してみよう!と言われました。
クラスの誰もが、0の数を数えながら慎重に計算をしています。
最初に当てられた子が、黒板に答えを書きました。
1,500,000,000+2,000,000,000=3,500,000,000
0の数を確認しながら、「正解⭕️」と言う先生。
みんな自分のノートの0の数を数えて、「良かった、合っていた」とホッと胸を撫で下ろしています。
と、先生がAくんを当てました。
「Aくんはこんな方法で解いたぞ。」
Aくんは黒板にこう書きました。
15億+20億=35億
なんてシンプルでスマートな解答なのでしょう
0の数を必死で数えていた自分がバカみたいです。
ものすごい敗北感とともに、「Aくんは天才だ」という尊敬の念を抱きました。
あの時の衝撃は、今でも忘れることができません。
その後も、卒業するまでAくんは浮いたままで、悲しいことにバイ菌扱いも変わりませんでした。
Aくんは卒業すると、
ラサール中学に進学しました
やっぱり天才だったAくん。
今で言うところの「ギフテッド」というやつだったのかなと思います。
普通の子と違いすぎて馴染めなかったのかな…
地元のそこそこのレベルの私立中に進学した秀才くんや、公立中に進学して常に成績上位の秀才くん達は「頭イイみんなの人気者」だったのに…
飛び抜けていると苦労するのですね…
世知辛い。
そういえば、地元のトップ私立中に苦もなく進学した男の子(小学校高学年で転校してきた)も天才肌っぽい子でした。(Bくんとします。)
Bくんは反骨精神の塊で、同級生とは馴れ合わず、先生とはしょっちゅうバトルしていました。
授業は放棄、テストは白紙の問題児…
「なんでやらないの?」って聞いたことがあるのですが、「簡単すぎるんだよ!」ってキレてました(←私、ツヨイな笑)
今思うと、完全に浮きこぼれってやつですね…
よく問題起こす子でしたが、一度聴いたBくんのピアノがめちゃくちゃ上手で素敵だったことが忘れられません。
賢い上に芸術の才能まであって、羨ましい限りです
「ギフテッド」って最近ニュースや特集でたまに聞きますが、頭が良すぎて本当に生きづらいんだろうなぁと思います。
そういう子達がいじめの対象になったり、浮きこぼれたりして、楽しく子ども時代を過ごせないのは本当にもったいないことだと思います。
ぜひ支援を進めて、ギフテッド達が無理に周りに合わせずに才能を発揮できるようにしてあげてほしいと願うばかりです
それから、息子達には、決して周りから浮いている子をいじめる側には立たないでほしいと思っています。
「色々な子がいる、普通の枠に収まらない子もいる」ことをプラスに捉えて、そういう子達の考え方やものの見方を素直に学べる子になってほしいなぁと願っています