このごろの私のブログは、実家の父の話が多めになってきている。
先日 実家に行った時のこと。その日は訪問看護師さんが来る日だった。
窓の外を眺めながら母とお茶を飲んでいると、看護師さんの軽自動車が実家の駐車場にとまった。
すると母が、
「私は看護師さん達を出迎えるから、あんたお父ちゃんを起こしてソファーに座らせといてくれる」
と言うので、私は父の寝室に行った。そして、
「お父ちゃ〜ん訪問看護師さんが来たから起きて〜」
と言うと、父は渋い顔をして横向きになり、
「これでいいべ」
と言った。だから私は、
「横向きじゃなくて、ちゃんと起きるんだよ」
と言うと、父は眉間にシワを寄せて、
「いつもこうやるんだっ」
と声を荒げた。
「違うよいつもソファーに行くんでしょ」
と私が言うと、父は私を睨みつけ、片側の唇を上げて歯を食いしばり
「コノォーーッ」
と言いながら必死で起き上がって、ベッドに腰を掛けた状態になった。
私は父の片側の唇を上げて歯を食いしばった顔が嫌いだ。こーゆー口だ
この口をして「コノォーーッ」と言われたら、ブン殴られる未来しか見えないからだ。私は一瞬ひるんだが、父は殴ってはこなかった。
その後、ベッドに腰掛けた父を抱きかかえて立たせようとしたのだが、
「触るなっ」
と手を払われたので抱えるのをやめた。父はプルプル震える腕でベッドの手すりに掴まってなんとか立ち上がり2歩歩いたのだが、ヨロヨロして倒れそうだったので、私は後ろから腰のあたりを支えた。しかし父が今度は無言で私の両手首のあたりをバシッと叩いたので、支えるのもやめた。そして父がベッドの柵や、食器棚をつたいながらリビングに向かって歩くのを30cmぐらい後ろで見守った。
父はヨロヨロと歩きながら、
「○○子(母)はどこ行った?」
と2度聞いてきたので、
「お母ちゃんは玄関に看護師さんを迎えに行きました」
と2度こたえた。
『もう父は、私のこと信用してないんだなぁ〜母の手助けしか受け付けないんだなぁ』
と少し悲しくなった。
父の寝室とリビングの間には台所があるだけなので さほど離れてはいないのだが、やっとこさっとこ父がリビングに顔を出すと、2人の訪問看護師さんが、
「○○さーんこんにちわっ」
と笑顔で声をかけてきた。
すると父は、先程までの私に対する態度とは一変して、
「あ〜どうも〜お世話になります〜」
などと言ってニッコリした。
その後も終始穏やかに、血圧や体温を測られ、テリボンという骨粗鬆症予防の注射を打たれたりした。
20代の看護師さんから
「○○さん、注射痛くないですか」
と聞かれたら、
「痛くないです〜!」
なんて元気に答えたりしてた。
父のやつめ、外面がいいにもほどがある私にあれだけ横柄な態度をとるのは、身内だとわかっているという事だから良い事なのかもしれないが、でも、これだけ差をつけられると納得がいかない
母がもし体調を崩して父の面倒が看れなくなったら、私は代わりとなって看る自身がないと思った。
それにしても、父が今服用しているグラマリール(チアプリド)という薬は、べつに心が穏やかになる訳じゃなくて、腕力を奪うというか、体を重くして、怒鳴ったり、人を殴ったり出来なくするだけの薬なんだな〜と思った。父のイライラした顔を見てたらそう思った。