去年亡くなった元同僚のSさんに、若い頃言われた言葉を思い出す。
「エラピーみたいに『これが私の100%だー!』って感じの人間を受け止められるのは、年上じゃなきゃ無理だな
せいぜい5歳は年上の奴と結婚しろよっ
」
という言葉だ。確か、私が仕事を辞めて間もなくで、まだ横浜に住んでいた頃、Sさんがサッカー少年団の審判をしていて足を骨折したと聞いて、病院にお見舞いに行った時に言われたひと言だった。
その頃私は実家にちょこちょこ帰りながらお見合いをしていた。たぶん旦那とお見合いをして2度ほどデートした頃だったと思う。
そしてSさんに
「今、お見合いしてる人 6歳上ですよ
年齢はOKですね
」
と言った気がする。
でもね〜、今思うと、6歳なんて たいした差じゃなかったよ
私よりずっと大人だなんてことはなかったね〜
よく考えたら、奥さんに離婚されて30歳も年下の女性と付き合ってたようなSさんの話を真に受けちゃダメだったよね
旦那は毎日毎日あっちが痛いだのこっちが痛いだの、血圧が高いだの、動悸がするだのと言って私を心配させようとする。それを私が右から左に受け流したら
「優しくないなぁ〜
」
と言う
私は逆に言ってやりたいですよ。
「あなたが私に優しい言葉をかけた事がありますか
」
ってね。それに、旦那にあまり強く言い過ぎると
「俺なんて居ない方がいいんでしょ…役立たずなんでしょ…」
って地の底まで気持ちが落ちちゃうから喧嘩もできないしね
まぁ、真面目にサラリーマンをやってくれてる人だから、私が重度知的障害者の息子を預けてまで働かなくとも生活が成り立ってきたわけだから、ありがたや〜なのですが、私もたまには泣きじゃくって
「大丈夫 大丈夫
」
って背中をさすってもらったりしてみたかったな〜なんて思ったりもするのです。
よくよく考えたら、こんな生活になる事は最初からわかってたよなぁ…って思いました。
今から約34年前のこと。結婚式の日取りが決まって少しした頃、旦那(その時は彼氏だな)から
「結婚式の時に配る僕らのプロフィール帳を作る仕事を職場の後輩2人に頼んだんだ
後輩が、エラピーさんにもいろいろ質問したいそうだから、今度4人で呑みましょう
」
と誘われたことがあった。私は
「わかりました
指定されたお店に行きますね!」
と返事をした。
そして飲み会当日。出掛ける前にお財布の中を見たら9千円しか入っていなかったのだが、私は
『ちょっと少ないかな?まぁ割り勘で払えるぐらいはあるでしょ!たぶんTさん(旦那)に奢ってもらえるし
』
というちょっと小ずるい気持ちで そのまま家を出た。
居酒屋に最初に着いたのは私と会社の後輩さん達。Tさんは、ちょっと疲れた様子で遅れて入ってきた。
「東京出張から直接ここに来たんですけど遅れちゃいました〜
ごめんなさい」
と言っていた。
そして4人で呑みながら食べながら、プロフィール帳を作るための質問に答えていった。趣味、好きな食べ物、2人のなれそめ等々。
そしたら、時間が経つにつれ旦那がすごく酔っ払い出したのだ。後輩さんがちょっとからかうたびに
「じゃかましいっ
」
と大きな声を出す。酔っ払ってヨロヨロだから全然こわくないけど、声を荒げる時なんてあるんだな〜ってその時知った。そして、怒ったと思ったら今度は眠くなったみたいで、頭をカックンして寝ちゃうから、冷奴の器に前髪が入ってビショビショになるという始末
「もうTさん疲れてるみたいだから、お開きにしましょうか
」
と私が言うと、後輩さん達も同意してお会計となった。
すると、お会計を出してもらっている間にTさんがフワフワ〜ッとお店の階段を降りて店を出て行ってしまったのだ。本人にはお会計をすっぽかすつもりは全くなかったのだろうけど、もう思考能力がなくなってる感じだった。
お会計は4人で16000円位だった。私は
「ごめんなさい
私、今日9千円しか持ってなくて、帰りのタクシーとか考えると7千円しか出せないんです
」
と言うと、1人の後輩さんが
「俺、出して3千円…」
と言って、もう1人は、
「うわっ
俺明日出張なんだよなぁ〜
キビシイけど6千円出します!」
と言ってくれて、なんとかかんとかお会計を済ませる事ができた。後輩さんと言っても私より1歳年上の人達だったが、2人ともお財布の中は1万円未満だった。旦那が酔っ払わずにちゃんとお支払いしてくれれば、恥ずかしい思いをしなくて済んだのにね
お会計を済ませて店の外に出ると、旦那が地べたに座っていた。
「Tさん!帰るよっ!」
と言って、私は旦那を立たせて手を繋ぎ、グイグイ引っ張って駅に連れて行った。
「もうちょっとしっかりしてくださいっ
」
と言いながら。
旦那と1人の後輩さんは下り方面の電車。私ともう1人の後輩さんは上り方面の電車だったので、グデングデンの旦那を後輩さんに任せて駅でバイバイした。
それから上りの電車でいっしょだった後輩さんが
「Tさんね、普段はあんな酔い方する人じゃないんですよ
僕らが日本酒なんかすすめたからすみません
婚約解消しないでやってくださいね
」
とすごく謝っていたので、
「婚約解消するほどの事じゃないから大丈夫ですよ
」
と私はゲラゲラ笑った。
まぁそこで運命は決まってたんだな。
「しっかりしてっ
」
「気にし過ぎだよっ
」
とゲキを飛ばす妻になることが。
「大丈夫 大丈夫!」って背中をさすられながら慰めてもらえる人生は諦めることにしよう