出版界隈では「百年の孤独」の文庫化でにぎわっておりますが、
個人的大ニュースは
あの名作「モンテ・クリスト伯」の新訳が出たことですわよ!!
百年の孤独もいずれ読むつもりではありますが。
「モンテ」は紙で読める完訳版は、
長いこと岩波文庫ぐらいしかなかったんですよね。
もちろん、岩波版も格調高くていいのだけれど、
初版はなんとびっくり1956年ですってよ。
そりゃそろそろ新訳が出てもいいでしょ。
あ、この間、いろいろな出版社から翻訳されてたんですけどね。
残ってるのは岩波だけ、ということです。
今回の平凡社ライブラリーからは毎月1冊、全5巻だそうな。
ふふふ。5か月間ウッキウキで過ごせるわ。
んで来年は、ついに光文社古典新訳文庫からも出るんですってよ、あなた!
誰に呼びかけているのやら。
いやあ、突然の供給過多に気持ちが追いつかないわ。
もう、来るね、モンクリブーム。私には見えるわ、そんな未来が。
未読の方々も、今のうちから読んでおくことをおススメします。
毎月1冊ならわりと気楽に読めるかと。
え~、そんなわけで人生何度目かの再読中なのですが、
実況のようにちまちま感想を書いていく予定です。
少なくとも月に1度は。
少なくとも、かい。オタクの執念は恐いね、我ながら。
あ、ネタバレありになるかも。要注意です。
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はいっ!てなわけで第1巻感想スタートです。
まず思ったのは、「わかりやすいな~」ということ。
はじめの数ページで、主人公エドモン・ダンテスの人となりを説明したあと、
悪役、ダングラール登場。
おいおい、ネタバレ。
だって、いきなりそう書いてあるのですよ。
「上の者にはへつらい、下の者にはいばりちらすような」(P16)って。
初登場のシーンからこれ。まだ何もしてないのに。
いいですねえ、このもったいぶらなさ。
物語の方向性がすぐにわかる。
いい人で有能なエドモンが、悪者たちに陥れられる展開になる、
と想像がつく。
読者が迷子にならないのだ。
そして予想通りエドモンは恋人メルセデスとの婚約式
(実質、結婚式)のさいに逮捕されてしまう。
人生の絶頂期から、突然の転落。
いやあ、ドラマチックな見せ場を作りますなあ、デュマ先生は。
ここまでの展開で100ページいってないのよ。
1冊あたり400ページ超え、全5巻のうちのはじめの100ページよ?
ぐいぐいひっぱるなあ。
とか言ってたら、このあとはいきなり歴史ものふうの展開に。
エドモンの逮捕は、ナポレオンの失脚やら何やらと関わっているのですが、
そのあたりの説明が長い!
不当に逮捕されたエドモンは出てこず、
当時の不安定な社会情勢についての記述が続いて、
正直、ちょっと退屈。
この作品が書かれたのは1844年。
ナポレオン失脚が1815年。29年前の出来事かあ。
う~ん、当時の人々にとって、ナポレオンのことは
まだまだ生々しい記憶だったのでしょうね。
現代でいうなら、オウム事件とか、
少し時代は新しいけど、9.11のテロ事件とか。
もしそういった事件をフィクションにからませるなら、
やっぱり簡単な説明ですませるわけにはいかないだろうし。
それだけ、人々の記憶に強く印象づけられた、歴史に残る事件なので。
そう考えると歴史的な部分が多少は長くなるのも仕方ないか。
でも、読みにくかったら、とりあえず飛ばして読んでもいいと思うよ!
大胆だぜ。
でも、大長編なんだから、それぐらいフットワークが軽くてもいいよ、きっと。
あんまり力入れすぎないほうがラクよ。
あとから必要を感じたら、読み返せばいいのだし。
本は気長に待っててくれます。
とかいって、まだ1巻の半分ぐらいよ。
ここからつらく苦しい牢獄ライフが始まるというのに。
続きはまた次回?に!