ふだんはのんきに読書ブログを書いていますが、
突然の番外編です。
ま、素人のブログですんで、自由にいきます。
先日、とある作家さんが、X(旧ツイッター、って書かなきゃならんのは面倒ね)
で、とあるお芝居について問題点を指摘していました。
それは炎上というほどではないけれど、
少なくないファンたちは反発していました。
私自身はその作品を見ていないので、
内容については今のところ何とも言えません。
配信されたら見る予定ではありますが。
別の作家さんはこの件に関して、自分は批判的なことはオープンな場では言わない、
自分がそれを好きでなくても、好きだという人はいるのだから、
ということを述べていました。
そしてそれにはたくさんの「いいね」がついていました。
言わないなら言わないで、もちろんいいのですが、
欠点や問題点と思われる部分を指摘するのはそんなにダメなのでしょうか。
悪口や誹謗中傷はいけないのは当然のことですが。
プロが仕事として広く世に出した作品について
こちらも広く世に出て意見を述べる、というのは、
表現の自由や公平性、
それからそのジャンルの発展のためにも必要なことだと思います。
そりゃあ誰だって、好きな作品を悪く言われたらいい気はしない。
だが、それは作家やファンの人格攻撃とは違う。
つまらぬ作品だからって、それを作った人やファンがつまらない人
だとかいうわけでは全然ない。
あくまでも、その作品そのものに対して欠点を指摘しているだけである。
そこは区別しなければいけないと思う。
こういう「悪く言うなんてダメよ!」的な意見が
まるで正義のようになるのは、やっぱり批評について学校などで
きちんと学ぶ機会がないからだろうなあ。
私も学んでないけれど。
で、話をもどしますが、その作家さんの批判的意見が
妥当かどうかは今の私には判断はつきません。
わかるのは、批判的な意見の場合に大事なことは
「書く時期」「書く場所」そして「書きかた」だということ。
時期というのは、まだ公演がはじまってすぐだったので、
その作品を見た人は少なく、
見る予定の人のほうが大多数だということ。
そこにいきなりマイナスなことを書いては、
見る予定の人はどうしても先入観を持ってしまう。
これは「書きかた」の問題でもありますが。
場所については、やっぱりツイッター(Xと呼ぶ気なし)
でマイナス意見は要注意だと思う。
イヤなら私の投稿は見るな、では済まない。
その人をブロックしない限り、流れてくる可能性はある。
そもそもブロックするには、まずその人のツイートを見なければいけないし。
ツイッターはすぐに読めて、すぐに返信、拡散ができる。
よく考えもせず、反射だけで動いてしまうのだ。
明るい話題ならそれでもいいが、
そうでない場合は、慎重に発言したほうがいい。
みんな感情的になってしまい、発言者の人格攻撃になってしまうこともある。
それだけは絶対にいけない。
で、最後に一番重要な「書きかた」
問題の?ツイッターでは「○○(作品タイトル)ダメだと思う」
というダメ出しから始まるのですが、
こういう刺激的というか、挑発的ともいえる、断定的な書き出しは難しい。
これが決まるのはペテン師か、故ナンシー関さんぐらいだろう。
ナンシー関さんが決まるのは、まず題材選びが上手いからだと思う。
主にテレビに関しての文章だったが、
世間の多くの人が「なんかあの番組、人気あるけど見てて
もやもやするのよね。上手く言えないけど」
と漠然と思っていることを見事に言語化していた。
だから、ナンシーさんの文章を読んだほうは
「そうそう、私が思ってたことが書いてある~」となる。
もやもやしたものが、一気にクリアになる感じがするのだ。
それは、テレビのほうが舞台よりも多くの人が
見ているのだから、ネタ選びが簡単だよね、ということではない。
「漠然としたもやもや」をどうすくい取るか、が大事なのだ。
そしてそれは、たとえ見ている客の多くが特にもやもやを感じていなくても、
こちらに説得力があれば、新しい視点を提供することができる。
ひとつの作品をまた新たな目で見ることも可能なのだ。
今、自分で書いてて思ったが、やっぱり批評は必要だな。
作品へのより深い理解が得られる(こともある)。
ほめるのも、ほめないのも、同じ重さで必要。
だからこそ、書きかたが大事になる。
いきなり「ダメ」というのでは多くの人がむっとするだけになるかもしれない。
冷静に、その作品や、
それについての批判的な意見をとらえられないこともある。
まあ、いきなりきついことを言って成立させるには、
ユーモアも必要だと思う。きついことを言って、読み手をちょっと
むっとさせた後、笑いでおとす、というような。
厳しいことを言うからこそ、
多くの人に読んでもらえるよう細心の注意を払わねばならない。
ツイッターは趣味でやってるだけだから、は通用しないと思う。
と、まあ長々と書いてしまいましたが、
エンタメ作品について、
いろんな視点から自由に意見が交わせるようになればいいと思っているのです。
「私の好きなあの作品をけなすな!」で終わらずに。
批評については北村紗衣さんの「批評の教室」が参考になります。
特に第3章 3 書くためのテクニック
がいいです。