2024年が始まりましたが、もういろんなことが起こりすぎて

何がなんだか、という感じですね。

 

昨年の暮れから読み始めたこの本が、

何というか役に立ちそうというとへんですが、

「ううむ」と唸ることばかりでした。

 

タイトルの「ネガティブ・ケイパビリティ」とは

「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない

事態に耐える能力」のことだそうです。

 

本の帯にも

「早急な結論、過激な意見にはとびつかず、

すぐに解決できないことには、

『急がず、焦らず、耐えていく』力」とあります。

 

なんかもう、言い尽くしてしまいましたね。

はい、本日のブログはこれにて終了いたします。

 

まあ、せっかくパソコンを立ち上げたのだし、もう少し書こう。

 

本書ではまず、この言葉を作ったキーツという人物、

そしてその言葉を再発見したビオンという人にも焦点をあて、

丁寧に「ネガティブ・ケイパビリティ」について説明しています。

 

当然のことですが、

「ああしてこうすれば、ネガティブ・ケイパビリティは身につくよ!

今すぐ実践してね!」

なんてことはないです。

 

そんなマニュアルもなく、答えもない状態を受け入れることこそが

ネガティブ・ケイパビリティだと思います。

 

私たちの日常を振り返ってみても、

この「答えがすぐに出せない状態」

「自分では解決できない、しようがない問題」ってたくさんありますよね。

 

いまでいうと、やっぱり震災に関してです。

現時点では被災地では

「ボランティアなどは受け入れ態勢が

整ってないのでまだ来ないで」

と言っているのに、行っちゃう人。

 

まあ、居ても立っても居られない、というところなのでしょうが、

当事者側が来ないでって言ってるんだからさあ、待とうよ。

 

すぐに行動を起こすこともとても大事だけれど、

それが全てではない。まず、相手側のことを考えなければならない。

 

ここで待てるかどうか、何もできない自分自身を受け入れられるかどうか。

それこそ「ネガティブ・ケイパビリティ」なのではないでしょうか。

 

こういった大きな出来事に限らず、

すぐなんか言う人いますよね。

 

事件とか、事故とか、芸能人のスキャンダルとか。

ちょっと何かあると、すぐネットで「お気持ち表明」

しばらく待てば続報がくるんだから、待てや。

 

 

あと、個人的に以前から気になっていたのが、

ドラマやいろんな物語を「考察」することについて。

 

ここで言う考察とは、要するに展開の先読みというか、予想というか。

「このセリフがのちの展開につながるのね」とか

「伏線回収した」とか。

 

別にそういう楽しみかたに反発するわけでもないけれど、

フィクションはそういう「答え合わせ」だけではないと思うのです。

 

すっきりしない終わりかたをする名作なんていくらでもある。

私のブログでよくとりあげる山岸凉子先生の作品なんて特にそうだ。

 

作品のなかでは答えは示さない。

それをどう受け止めるかは、読者一人ひとりの問題なのだ。

今はよくわからない、受け止められない、というのももちろんあり。

 

これも、「ネガティブ・ケイパビリティ」だと思う。

 

 

まあ、人生よくわからないことだらけで、不安でいっぱい。

だからこそ、答えを知りたい。安心したい。

誰だって答えの出ない事態に耐えるのは恐い。

 

しかし、安易な答えや行動に飛びつくのは良くない。

それは自分だけでなく、まわりの人たちも傷つける可能性が高くなる。

 

まずは自分が持つ不安感や、答えの出せなさ、

つまり「弱さ」を認めることからかな。

 

言うは易し、ですが。

私もぼちぼちがんばります。

 

最後に。

この言葉、流行るかなあ。

HSPが「繊細さん」とか言われてポップ化したような現象になるのかなあ。

もっと分かりやすい言葉に言い換えられたり、

単純化されたりしたら、流行るかもなあ。

 

そんな形で流行らなくていいのですけど。

しばらく静かに動向を見守っていこう。

これも「ネガティブ・ケイパビリティ」か。