人生において大切なもの、それは
「人柄」と「ユーモア」だっ!!
あ、思わず興奮してしまいました。
この本は宝塚歌劇団で名バイプレーヤーとして活躍した
天真みちるさんの自伝です。
続編の「遅れてきた社会人篇」も読みました。
元タカラジェンヌの本というと、
たいていはトップスターだった人が書いたりする。
そのほうが話題になるし、売れますしね。
では、トップではなかった人のヅカ人生は…。
はい、うらやましいほど充実したヅカ人生だったようです。
仲間と励まし合い、カッコいい上級生(ヅカでは先輩をこう呼ぶ)、
スターさま、スタッフの人たちとの堅い絆。
みんなでひとつの作品を作るという目標を持ち、
日々努力を重ねていく。
あ~あ、私もそんな素晴らしい青春を送りたかったわあ。
と、引きこもりのベテランはパソコンに向かって愚痴るのであった。
でも、これらはきっと、たそ(天真さんの愛称)さんの
人柄あってこそだと思います。
たそさんが毎日きちんと仕事に真摯に向き合っているからこそ、
まわりの人たちも助けてくれて、応援してくれていたのでしょう。
日頃の行い、なんていうと説教くさくなるけれど、
やっぱりそうなのね。
あと、愚痴がないのも素晴らしい。
宝塚というと、上下関係、特に音楽学校の厳しさは有名だ。
きっとときには理不尽なこともあっただろうけど、
そういったことは何も書かず、自分の失敗談を語るのみ。
うまくいかなかったことも、人のせいにしない。
いや、読んでてちょっとびっくりした箇所がありまして。
続編の「遅れてきた社会人篇」では、
退団後、ご両親から結婚を強く勧められ、
見合いをし、婚約までいった。
その途端、それまで穏やかだった相手の態度が急変し、
いろいろ小言を言うようになった。
違和感を覚えたたそさんは婚約解消する。
そうすると、家はお通夜状態。
父親からは人格を否定されるほどだったという。
ええ~、結婚前に相手と合わないとわかってよかったじゃないですか。
結婚してから正体がわかったら、大変すぎるよ。
早めに引き返す勇気は大事だ。
しかし、この件に関しても、たそさんは
相手やご両親に対して愚痴は言わない。
立派だ。
まあ、ほんとここで結婚しなくてよかったですよ。
このあと運命の相手にめぐり合うことになるので。
そこのところは本書を読んでくださいな。
で、上のほうで「人のせいにしない」と書いたけど、
これは本当に大事だな。
うまくいかないことがあったとき、
「みんなが○○してくれない」と嘆いていてはダメなのだ。
誰かが手助けしてくれることを前提にしていては、
誰も助けてくれない。
まわりの人は離れるばかりだ。
まず自分自身でがんばってみて、それでもどうにもならなければ
力を貸してほしいと言う。
そうしたら、あんがいみんな手を貸してくれる(ことも多い)。
自分から動けるかどうか。
む~ん、ここが運命の分かれ道なのか?
いずれにせよ大事なのは
「愚痴を言わない」
「人のせいにしない」
ことだと思う。
そこにその人の本当の知性とか、品位が現れる。
あ、あと「ユーモア」ね。
これはその人の持って生まれた才能と、やる気が重要だからなあ。
たそさんは十分あるからいいのだ。
ない人はないから。
ゼロには何をかけてもゼロだから努力しても向上しにくい。
よって才能ない人はあきらめてね~。
という残酷極まりない終わりかたをする。